「狂犬病危機」致死率100%日本では狂犬病は終わった病気なの?
理由はどうであれ、「受けさせるべき注射を受けさせない!」人間を、
決して「愛犬家・動物愛護家」とは言うべきではないと思います。
「狂犬病なんて日本では終わった病気でしょ」
なんて狂犬病の怖さを認識している人が少ないのではないか。
時々、犬にかまれて怪我したとかいうニュースがありますが、
記事を見る限りでは、狂犬病を意識している様にみえないんですね。
怪我そのものの治療も大事だけど、
おとなしかった犬が急に狂暴になったら、狂犬病をまず疑うべきだと思いますよ。
そういう検査もやっているのだろうかと疑問に思ったりもします。
というのは、
厚生労働省によると、平成26年度、
全国の市区町村に届け出のあった飼い犬662万匹のうち、
義務付けられた予防接種を受けたのは474万匹で接種率は71・6%。
5年ごろまでは99%以上で推移していたが、
8年に90%を下回り、以降急激に低下しているそうなんですね。
またペットフード協会(東京)の調査によれば、
26年度の国内の犬の飼育数は推計1034万6千匹で登録数を372万匹も上回り、
多くが未登録犬とみられ、
こうした犬を含めれば接種率は50%を切っているのが実態だそうです。
日本では1950年に「狂犬病予防法」が制定され、(違反した場合20万円以下の罰金)
飼い犬の登録と狂犬病予防注射が義務化されたんですが、
なぜ狂犬病ワクチンの予防接種だけは義務付けられているかというと、
一つ目は、
人にも感染する病気であることが理由なんです。
人間が感染して発症してしまうと死亡率100%の恐怖の感染症なんですよ。
(発症する前にワクチンを打てば助かることもありますが)
2つ目の理由としては犬だけではなく、
哺乳類ならなんでも感染することがある病気だからです。
犬、猫、馬、アライグマ、牛、コウモリ、哺乳類ならなんでもです。
一度狂犬病が発生したならどこに広がっていくのかわからない上に、
人に感染すると致死率の高い病気だから厳しく義務付けられているようですね。
ちなみに、
日本では1930年代に犬・猫で出てからは発生していないようで、
1957年以降は海外渡航した人が渡航先で犬などに噛まれて発症した以外には、
日本国内での感染・発症の報告例はありませんから、
堂々世界一の清浄国になっているんですが、
日本の周辺国のほとんどが狂犬病感染国なんですね。
特にロシア船は犬を航海安全の守り神として乗船させていますが、
検疫から注意されていても犬を上陸させたり、
ひどいときには置いていきます。
もちろん予防などしてませんよ。
これが現実なんですね。
狂犬病の症状としては、
ウィルスが侵入した傷口から脳の神経に移動し、爆発的に増えることによる神経症状があらわれます。
犬の場合、
狂暴化する、くるくる回る、まっすぐ歩けない、遠吠えを繰り返すなど意味のない行動を起こし続け、
いずれ100%死亡します。
狂犬病に感染すると2週間から2カ月程度で発病し、
ヒトの場合の潜伏期間は通常は2週間から80日程度と言われているんです。
ウィルスが身体に入り込んだ量によって変わるようです。
症状は、
発熱、頭痛、全身倦怠、嘔吐などの不定症状で始まり、
かまれた部位の異常感覚があります。
ついで、筋肉の緊張、幻覚、けいれん、嚥下困難などが起き、
液体を飲むとのどがけいれんを起こし、非常に苦しいため水を怖れるようになるんです。
潜伏期間を過ぎて発症すると100%死に至ります。
この狂犬病のウイルスは元々犬が持っているモノではなく、
犬もウイルス感染を予防する為に接種するんですよ。
犬からの感染がほとんどなので「狂犬病」と呼ばれていますが、
先ほど述べた全ての哺乳類に感染するんです。
感染動物に噛まれることにより唾液に含まれるウイルスが噛まれた動物に侵入し感染しますが、
人から人へは感染しません。
そんな狂犬病の予防接種をなぜ犬だけにするかというと、
人間の感染理由の多くが狂犬病の犬に噛まれたせいなので、
人間への感染を防ぐ目的で犬の予防をしているんですが、
これは人間の数よりも犬の数の方がずっと少ないので、
全ての人間に予防注射するよりも全ての犬に予防注射する方が楽なのでしょうね。
犬に噛まれる事故は毎年5千件ほど報告されていますが、
他の動物に噛まれる事故は少ないからですね。
海外では狂犬病のコウモリやハムスターに噛まれて感染した人も居ますし、
犬の予防が徹底してないので、
海外に行く人は予防注射を受けておいた方が良いみたいですよ。
ただこんな話もあるんです。
狂犬病ウイルスの感染力はとても弱く、空気に触れると死んでしまいますし、
傷口から体液が入らないと移らないし、
一度撲滅されたら急速に再流行することはないため、
一律の接種義務は全く必要ないし、
野良犬が少ない日本での流行はあり得ないと。
また海外のペット先進国では、
発生国と地続きでも接種義務を廃止しているところがあるらしく、
ニュージーランドやオーストラリアでは予防接種自体を禁止しているそうです。
世界の獣医学会では、
狂犬病はコアワクチン(皆に必要なワクチン)には入れておらず、
地域の流行状況によるとしているため、
感染動物がいない先進国では不要だと。
WHOは、
アフリカなどの現在の大流行地域ですら、
「接種率が4割を割ると流行する危険がある」と言っています。
つまり4割程度でも防御効果があるみたいで、
全く必要のない世界一の清浄国の日本でいつまでも大昔の毎年の接種義務が温存されているのは、
日本の役人と製薬会社と獣医がグルになって儲けるために、
政治家にお願いして法律を制定したと(ある動物病院の先生が言ったそうです)
アメリカでは3年に1回なのに、
日本は犬をネタにした金儲けのためだ・・・と。
でも日本で飼育する以上は、
日本の法律に従い登録と狂犬病予防接種はした方が良いように思いますよ。
私も以前、熊本犬を3匹飼っていましたが、(実は雑種ですけど熊本県で生まれたから熊本犬です)
その内の一匹が人を噛んだことがありましたが、
その時の第一声が「狂犬病の注射はしてるんですか」だったんです。
幸いにも予防接種をしていたから良かったものの、
大事には至らなかったです。(あやまりに行っただけで終わりました)
やはり狂犬病予防接種は、
飼い主の義務なのだから出来ないのなら飼育すべきではないと思いますよ。
ちなみに狂犬病予防接種は、
犬を取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合は、生後90日を経過した日)から30日以内に、
その犬の所在地を管轄する市町村に登録の申請をし、
鑑札の交付を受けなければならないと定められていて、
室内犬を含む生後91日以上の犬を所有する者は、
毎年1回、4月から6月までに狂犬病予防注射を受け、
注射済票の交付を受けなければならないと定められているんです。
また狂犬病の予防接種・ワクチンの料金は各自治体で多少異なるようで、
だいたいが狂犬病ワクチンの注射済票交付の登録料と合わせて3000円と少しくらいのところが多いようです。
もし、動物病院で予防接種をした場合は、
病院側が自由に料金を設定できるそうで自治体と同じ料金にしているところもあれば、
安く設定している、高く設定している、
簡単な健康診断込みで予防接種している動物病院までさまざまなようですね。
いろんな口コミはありますが、
5000円、3500円、1000円、1万5000円などなど・・・
もし安くしようと思うなら動物病院に電話して聞いて回るか、
自治体の集団接種がオススメですよ。
熊本市の場合は、
予防注射の接種期間は、毎年4月1日から6月30日までの間です。
狂犬病予防注射料3,000円
詳しくは「http://doubutsuaigo.hinokuni-net.jp/owner/inject.html」で確認してくださいね。
テレビでは、
愛くるしい犬の特集ばかりですが、
日本で狂犬病のパンデミック(爆発的な流行)は起きないとしても、
何時・何処で発生するかもしれない状態ですから、
出来ればワンちゃんだけでなく、
あなた自身も定期的にワクチン接種(自己負担)を受けられる方が良いと思いますよ。
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