「就業不能保険」は生きていくための保険なの?
若い男性には、今は健康で病気にならない自信があるからと、
あえて生命保険に入らないという人が意外と多くいるみたいですね。
健康維持のためにサプリントを多用したり、
ジムで体を鍛えたりといった努力も欠かさず、
職場の健康診断で「異常なし」の診断をもらって満足していますが、
万が一を考えて、
保険に入らない分の金額をきちんと貯蓄や投資に回していれば問題はないのですが、
「保険は要らない」と考える人は若く、貯蓄が十分ではないケースも多いんです。
独身ならまだしも、
既婚者で奥さんや子どももいるのに、
自分が入院したり不幸にも亡くなってしまったりしたときの家族のことなどは考えず、
保険には一切加入していないこともあります。
そうした人の奥さんに、
保険の必要性を説明すると理解を示し、興味を持ってくれることも多いのですが、
最終的には「夫が保険をすごく嫌がるので…」と言って、保険加入をためらうようなケースもありますね。
確かに利用するか分からない生命保険は、
毎月の掛け金がもったいないとか、
無駄だとか、
さまざまな考え方があると思いますが、
貯蓄が十分でない人や、リスクをヘッジすべき時期にある人にとっては、
非常に心強い存在かもしれません。
そんな中、
働けなくなった時のための保険、「就業不能保険」が話題を呼んでいるようですよ。
多くの人が入っている死亡保険は死亡時のリスクを、医療保険は病気やケガをした時のリスクを保障する。
ところが、
その中間、働けなくなって収入が減った場合の保障は、これまでほとんどなかったんですね。
収入が減っても住宅ローンや教育費は減らない。
つまり、就業不能保険は、死亡と医療の「隙間」を埋める商品みたいですよ。
そして、
年金がもらえるかどうかわからないから長く働くことに備えなければ、という意識で、
何をするにも早めに準備しようというのが、消費のいろいろな場面で見受けられますが、
「就業不能保険」が人気なのも、同じ文脈なんでしょうね。
こんなに会社の商品があるみたいですよ。
・住友生命「未来デザイン1UP(ワンアップ)」
・チューリッヒ生命「くらすプラス」
・東京海上日動あんしん生命「家計保障定期保険NEO」
・朝日生命「収入サポート」
・日本生命「もしものときの…生活費」
主契約の特約だったり、病気が限定されていたりするものもあるが、
商品の基本構造はどこも似たようなものみたいですよ。
病気などで働けなくなった時に毎月、年金がもらえる。
金額は上限や下限はあるが、自分で設定できるものが多いみたいで、
年金がもらえる期間は、
60~65歳までなど、長期にわたるものが主流みたいなんですね。
ただ各社、対応が違うところもあります。
・保険金が出る基準が、障害年金や介護保険など公的制度と連動しているか
・一度、就業不能状態になると、年金はずっと出るのか、それとも治ったら出ないのか
・精神疾患の場合も保険金が出るのか、
などです。
ちなみに保険料は、
「40歳男性、年金月額10万円、60歳まで」で「2900~5千円」が目安みたいです
(表も保険料も各社で細かい条件が違うので注意)。
ちょっと保険料が高すぎる感じがしますね。
印象としては、千円安くなればちょうどいいですが・・・。
でも、こういう掛けっぱなしの保険は消費者側からは満足しているのかなと思うんですね。
保険はあくまで仕組というカタチが実態なので、
本当に働けなくならないためのケアという実態は関与しないですよね。
定期的に体のメンテナンスかチェックが盛り込まれ、
自分の体の状況も気をつけていける商品設計を標準に入れて欲しいとも思います。
そうしたことが本当の意味での「生きながら活用できる保険」ではないでしょうか。
確かに働けなくなると家計が火の車になります。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、
大半の会社が病気休職制度を整備しているものの、
休職期間中に月給を支払う企業はわずか18%。
生活保護になった理由として25.4%が「世帯主の病気」を挙げているんです。
医療費の一部を補助してくれる「高額療養制度」や、収入の保障のための「傷病手当金」、
残された遺族のための「遺族年金」、障害を負ったときのための「障害年金」といった制度もありますが、
こうした制度だけでは賄えない部分もありますから、
制度を上手に活用しながら、
家族の状況に応じて足りない部分を保険に頼る。
そうした使い方をするのがいいようにも思います。
この「就業不能保険」は、
所得補償保険というが、どちらかというと社会保障の少ない自営業者向けかもしれません。
いずれにしても、
保険金は他人の掛け金で成り立っていますね。
自分以外、
たとえばこれから社会人になる子供、成人したばかりの若者、
この人たちがが日本を背負うころには、
掛け金回収が減る、または掛け金負担が増加?するかもしれません。
「就業不能保険」に入ることにはいかんことではないですが、
保険をあてにする考えから
安定した収入源を得る働き方を考えることが大事ではないかなと思いますよ。