美ビルド・ネットの熊本はてな?

「美ビルド・ネットの熊本はてな?」は我が郷土熊本県を中心にお役に立つ情報をあなたにお伝えします。

お盆は「思い出す」ことで黄泉がえり?

死んだら炭酸カルシュウムという鉱物が残る。

魂は生前に関わった人の思い出となって残る。

残した実績は後世への糧として残る。

 

そんな死者が自宅に帰ることが許される期間とされる「お盆」が近づいています。

お盆は年に一度の重要な「先祖の供養期間」でもありますね。

f:id:ky4490:20170719225710j:plain

そんな時思い出すのは、
死者との再会が巻き起こす様々な人間ドラマを描いた、
我が郷土熊本出身の作家・梶尾真治原作の「黄泉がえり」という映画です。

 

SMAPの草彅 剛、竹内結子主演で2003年に公開された映画で興行収入が30億をこえる大ヒット映画となったんです。
大ヒットの経緯は3週間の上映予定が、感動が口コミで広まり異例の動員を記録したという流れで、

 

黄泉がえりの意味ですが、
「黄泉から帰ってくる」を「蘇る」や「甦る」と掛けているわけで、
映画の中でも語られていますが、「生き返る」ではないみたいですよ。

 

その「黄泉がえり」という映画をちょっとだけあらすじをお知らせすると、

 

「ある日、九州の阿蘇で、数千人規模の死者が黄泉の世界から現世に戻ってくるという「黄泉がえり」の現象が起こります。
自分を思い続けてくれた人々の下に、死んだ当時の姿のまま、何事もなかったかのように戻ってくる、

家族、恋人、友人、最愛の人が再び自分の前に戻ってくることに、
驚きながらも喜ぶ人々と様々な事情で、彼らの「黄泉がえり」を素直に受け入れられない人々。
しかし、ある時、「黄泉がえった」彼らは、3週間しか現世に居ることが出来ないという事実を知って・・・」

 

フィクションとノンフィクションを行ったり来たりするような、不思議な感覚。
うれしさと切なさが優しさにより包まれている作品だったですね。

 

ちなみに、
小説版は1999年4月10日から2000年4月1日まで熊本日日新聞に連載され、
これをもとに2000年に単行本「黄泉がえり」が刊行されたんです。

また熊日の夕刊にこの「黄泉がえり」の続編が始まるみたいでうれしいですね。

 

黄泉がえった人はまたいつか帰らなければいけないのかもしれないが、
再び会えた喜びと、
黄泉という国の存在感と、
そしてその国は気がつけばすぐ身近にあるのだという安らぎを感じるかもしれません。

 

もしかしたら、
黄泉がえり」とはその人を「思い出す」瞬間そう言えるのではないかと思います。

   

そんな故人を静かに「思い出す」ことが最高の供養となるお盆。

 

旧暦から新暦へのカレンダーの切り替え(約1ヶ月間のズレ)により、
地方によりお盆の期間が2種類になっていますが、

古来から伝統的には旧暦の7月15日(今の新暦の8月15日に相当する)を中心日として、
お盆の行事は行われていたんです。

 

だから正式なお盆の期間は、今のカレンダーでの8月13日から4日間が正しいんです。

 

関東など7月15日前後にお盆の供養を行う地域もあるようですが、
8月15日前後にもお盆を行う2回のお盆供養も良いかもしれませんよ。

縁ある故人には、嬉しい2回のプレゼントとなりますからね。

 

8月のお盆は実際に今でも、
8月12日夜ごろから、普段に無く有象無象の霊たちが街にいるらしく霊界の門が開いているそうです。

(「黄泉がえり」のように、死んだ当時の姿のまま、何事もなかったかのようには戻ってきませんが)

 

そして12日と16日の夕刻に、「迎えと送り」をすることも良いかもしれません。

 

8月12日夕刻の日没時に、玄関の外で線香3本に着火して手に持ち、

「縁あるご先祖様の皆みな様、どうぞ家にお入りください」

と発声か心中で思い、線香を手にしたまま家の中に入り、先祖供養の供養場の線香器(香炉)にそれを立てます。

これを、迎え火(むかえび)と呼びます。

 

8月16日の夕刻の日没時に、家内の先祖供養の供養場で着火した線香3本を手に持ち玄関の外に出て、

「縁ある霊の方々、どうぞお帰りください。ありがとうございました」

と発声か心中で思い、線香を玄関先の外の地面か、金属バケツ、などに横にして置きます。

砂があれば、砂に立てても良いですし、
地面に置かずに、手に持ったままで、しばらく眺めてから、外にある水の入ったバケツに入れ、消火して放置します。
そして翌朝、ゴミに捨てます。

これが、送り火(おくりび)です。

 

この「火による迎えと送り」は、霊が怖い人・心配する人は、しなくても良いですよ。
12日と16日の夕刻に、心中で「迎えと送り」を思うだけでも霊には届きます。

 

そういえば、
先日、小林麻央が壮絶な闘病の末、34歳の若さで亡くなり、あなたも死を身近に感じたと思いますが、

『日本人は死んだらどこへ行くのか』(PHP新書 860円+税)という本では、

 

今まで日本人が死をどのように考えてきたか、
死後の魂の行方についてどう考えてきたかを豊富な具体例を挙げて考察し、
死を怖れずに、明日を生きていくための自分なりの死生観が見えてくるそうですよ。

 

いずれにしろ、
誰もが生きる人間も、自分も霊だということを忘れてはいけないようです。

 

お盆など故人への行事は、
自分が死んだ後に、自分自身が「受け取る」行為でもあるのが霊的な真相みたいですよ。

 

先祖供養は、自分供養をしていることにもなるんです。

 

自分自身をより良く育てる原因を生み出していますから、お盆は故人を静かに「思い出す」ですね。