「温水洗浄便座」他人のお尻を洗ったノズルを使いますか?
「おしりだって洗ってほしい」のキャッチコピーは、
TOTOの温水洗浄便座を一気に話題にしたことで有名ですが、
あなたも温水洗浄便座のトイレしか使えない、
なんてほど病みつきになっていませんか?(私も温水洗浄便座しか使いませんが)
また海外から帰ってきた人などは、
成田や羽田の空港でウォシュレットがあると「帰ってきた~!」って気持ちになりますよね。
ある会社が行った「温水洗浄便座」についてアンケートで、
自宅トイレの温水洗浄便座の装着状況を尋ねると、
全体では69.4%が「装着されている」との結果になったんですね。
また、温水洗浄便座のお気に入りの機能・特長については、
全体では「おしり洗浄機能」が1位で72.4%。
次いで「暖房便座」54.0%、
「ビデ機能」32.8%と続き、
自宅トイレの温水洗浄機能を使用している理由については、
1位が「紙だけよりも汚れがよく落ちる」が66.4%。
次いで、
「さっぱりする」63.5%、
「やさしく汚れを落とせる」41.7%と続いているんですね。
確かに温水洗浄に慣れてしまうと、
もう尻ふき紙には戻れないくらいのインパクトがありますね。
たまに紙で拭くと、
肛門の粘膜がヒリヒリ痛み、肛門様も軟弱になっていることがわかりますよね。
そんな「汚れを落とすこと」を期待する「温水洗浄便座」なんですが、
自分の家では使うけど、
不特定多数の人間が使用する、
職場や駅の公衆トイレやコンビニのトイレでは使う気にはなれないって案外多いんですよ。
「他人のお尻を洗った水がノズルに飛び散ってしまうんじゃ……」
「ノズルに他人のウン〇がついてて、それが自分のお尻につくように思うから」
「あのウン〇まみれかも知れないノズルが恐ろしくて外でのシャワーは絶対利用しません」
「気持ち悪いもん。どんな使い方されてるかわかんないし」
「知り合いでも他人のケツに当たった跳ね返りしずくを浴びる放水口から出る水流が清潔とは思えない」
なんて理由で抵抗がある人が多いんですね。
ほとんどの方が「温水洗浄便座」のノズルや本体が汚いと思っているようですが、
「ウォシュレット」を販売するTOTOによれば、
清潔性を保つ機能として、
ノズルの使用前後に水道水でノズルを洗浄するセルフクリーニング機能や、
最新商品には『きれい除菌水』でノズルの内外を自動的に洗浄する機能が搭載されているそうで、
便座とノズル素材には防汚効果の高い樹脂を採用し、
さらにお尻を洗浄した湯がノズルにそのまま落ちてこないよう、角度も工夫しているそうですよ。
それでは、
温水自体が汚染されていることはないのかという疑問も湧きますが、
東海大健康科学部が2009年に、
温水洗浄便座の温水タンク内で細菌が繁殖しやすいことを突き止めたんですよ。
神奈川県内の民家80カ所、公共施設28カ所で温水洗浄便座の局部洗浄水を採取した結果、
水道水の水質基準を超える細菌を検出し、
実に民家では基準の平均31倍、公共施設では10倍。
民家では4カ所から大腸菌群が見つかり、うち一カ所では緑膿菌も認められたそうです。
あなたのご自宅の温水洗浄便座も、タンク付きタイプの温水洗浄便座と思いますが、
タンク内の水道水が人肌程度の温かさに維持されているため塩素が蒸発し、
細菌が繁殖しやすいと考えられるそうで、
(外人に言わせると、あの生暖かさが菌を培養する気がすると言っていました)
お尻洗浄時に肛門から温水が跳ね返って大腸菌などがノズルの穴から侵入したり、
空気中の細菌が穴から入るなどの可能性があるみたいです。
また、
この調査で公共施設に比べ民家の検出が多かったのは、
温水洗浄便座の使用頻度に関係があると言うんですね。
温水洗浄便座は使用のつどタンク内の水が補充される仕組みですから、
家庭では使用頻度が少ない分、水が入れ替わらず汚染しやすかったのではないかという見解なんです。
「ノズルからタンクに水が逆流することはない」としながら、
旅行などで長期に自宅の温水洗浄便座を使用せずにいた場合、
念のため一度タンク内を水抜きしてから再使用することを推奨するそうですよ。
(意外と自宅の温水洗浄便座が不衛生だったりして)
しかし、
問題は「飛散」にあるともみられるみたいで、
温水洗浄便座で肛門を洗った水は、
膣や尿道、股間まで飛び散ることが分かっていますが、
大腸菌などが膣口や尿道に付着してもおかしくないんですね。
洗浄後、
濡れたままトイレットペーパーで拭けば、悪玉菌を塗り広げることにもなり得るそうですよ。
(健康な人の便中には1グラムあたり約10兆個の細菌が含まれているとも言われているみたいです)
でも、
これまで温水洗浄便座使用によって病気になったという報告は一件もないそうですが、
過度の使用はしないようにしてくださいね。
「過度」が何回なのかはわからないんですが、
妊娠中や早産既往のある女性、閉経後の女性は、特に気を配った方がよさそうですよ。
それと「洗い過ぎ」にも注意してくださいね。
肛門周辺を洗い過ぎると肛門付近の粘膜に悪影響を与えるそうですよ。
よくあるのが肛門周囲のかゆみ、
かゆみの主な原因はおしりの洗い過ぎ、ふき過ぎ、温水洗浄便座の使い過ぎなどみたいです。
この「洗いすぎ」は入浴でも要注意で、
臀部や性器をアルカリ性せっけんで洗いすぎると、
酸性に維持された膣内がアルカリ性に傾いてしまうんですね。
人間には自分で自分の体を守るメカニズムが備わっていますから、
過度に清潔にこだわり、
手をかけすぎて健康を害しては元も子もありませんよね。
それから公衆衛生の専門家によると、
ノズルの衛生面は、
温水洗浄便座の吐水の水質に大きな影響は与えないそうで、
仮にノズル表面をエタノールや塩素水で洗浄したとしても、
吐水の水質には大きな影響を与えないそうですよ。
温水洗浄便座は水道水を使っているから、
加温によって水道水に含まれる環境系の細菌が増えることはありますが、
それは風呂のお湯程度のものであり、病原性は無いとのこと。
ノズルを清潔にしたからといって、
水が綺麗になるというわけではないらしく、
温水洗浄便座に 使用される水道水自体が無菌ではないが、
たとえ細菌が増殖しても生活用水程度の細菌数のため、体への害は無いそうですよ。
(ウーン確かにノズル全体が汚くなろうが水が出る穴自体は汚れないですね)
また、
温水洗浄便座には使用前と使用後にノズルを洗浄する機能があり、
取扱説明書にも定期的なお手入れが必要と記載されていますから、
公共施設のトイレがしっかりと管理されていれば、
温水洗浄便座の吐水の衛生性は保たれるそうですよ。
最も、抵抗感のある人は、
科学の問題でなく感性の問題となるみたいで、その抵抗感はなくならないでしょうから、
100均で売ってる小型スプレイ容器に消毒用エタノール入れて持ち歩いて、
トイレを使う時には除菌してから使うといいかも。
でも、
「使う派」の人たちはこれからも堂々と使用できるみたいですよ。
ついでに言っておくと、
「温水洗浄便座」の暖房便座と洗浄水の温度を共に「弱」にすると、年間1080円の節約になり、
使わないときに蓋を閉めれば、
さらに、年間940円のコストダウンになるそうですよ。
今日の話はうさんくさい話になりましたが、
「温水洗浄便座」の使い方は清潔感の感覚の差なのかな?