美ビルド・ネットの熊本はてな?

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「女性は土俵からおりて」大相撲の女人禁制の伝統は何を指してるの?

伝統文化としての女人禁制や男子禁制が今後も続けられるのは別に構わないと思いますが、
それが人命より優先されることは決してあってはならないことですよね。

 

今回の件を逆に例えるなら、
女湯が火事になっても男性(消防士含む)は救助に入れないってことになるのかな?

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すでにあなたもご存じと思いますが、
大相撲春巡業で舞鶴市の多々見良三市長(67)が土俵上で突然倒れた際、

救助に駆け寄った女性に対し「女性は土俵からおりてください」とアナウンスしたことが、
問題視されていますね。

 

市長はくも膜下出血と判明し、1ヵ月の入院が必要だということです。
そして、
一秒を争うこの病気を救命した女性達に対して、救命行動後に、
相撲協会関係者が大量の塩をまいていたそうですよ。

 

大相撲巡業 人命救助の女性に『女性は土俵から降りて下さい』

 

 

この「女人禁制」とは、
女の立ち入りを禁止することで、特定の寺院や霊場で信仰上女性を穢れ多いものとして、
はいるのを禁止した制度のことというのはあなたもご存じと思いますが、

 

でも日本では原始・古代の神道においては自然の神の多くは女性だったんですよ。

 

産む性である女性は、
出産を中心とした自然的機能が男性に比べて自然の一部であるため、
自然の神に対して、里の神として崇拝されていたんです。

 

どうして女性崇拝と女人禁制がつながるかというと、
「女神と人間女性の住み分け」すなわち、お互いの領域を侵さないためなんです。

 

岩手県九戸郡山形村の民話に「山の神対里の神」住み分けという話があります。

「夫が毎朝身なりを整えて山に仕事に行くのを不審に思った妻が、
他に女ができたものと思い込み、

夫の後をつけて山に入って見れば、案の定、美しい女が夫の後ろから支えていたんです。
妻が怒って近づくと、女はスッーと消え、支えを失った夫は崖から落ちて死んでしまったんです。

この女は山の神様で夫を守っていたんです。
だから、人間の女は山にはいってはならない」

 

里は人間の妻の領域であるが、山は女神の領域だったんです。

この領域を侵すと、女性は大切なもの、この場合は夫を失ったんですね。

   

今回の大相撲の土俵のような女人禁制の場所は、「伝統」という言葉で片付けられてしまうんですが、
この「伝統」というのは何を指しているんでしょうかね?

 

相撲の起源は重要なことを決める時に相撲を取り、
神の意志がどちらにあるのか知ろうとした神事にあるんですが、
だからといって女人禁制の理由にはならないようですよ。

 

なぜかというと、

神道最高神天照大神という女性神だからなんです。

 

また日本書紀には天皇が女官を集めて相撲をとらせたとあるそうで、
こんな話からわかるように「女人禁制は伝統」というのは全く説得力が無いみたいですよ。

 

さらに江戸時代の幕藩体制が崩壊したとき、
それまで大名に保護されていた力士たちは社会的にも経済的にも不安定な状況になったんですね。

そこで、
少しでも観客を増やすために、明治5年に女性の大相撲見物が許可されたんです。

 

また、
女人禁制の伝統を持つ祭りの約3割が、人手不足が理由で女性の参加を認めていますね。

 

男性のエゴで定められた「伝統」というのは意外とあっさりと崩れてしまうみたいですよ。

 

土俵の女人禁制は単なる女性差別である、と言われるのは当然のことかも。

 

そもそも、女性の穢れ思想もそれに基ずく女人禁制も、
男性が勝手に作り上げたものだからですね。

 

本当の意味での男女平等の社会を作るためには、

あなたも古代の日本人の自然観を正しく理解すれば、こうした問題も解決すると思うんですが・・・。