高梨沙羅 54勝目地球上でただ一人成し遂げた勝利だ!
15歳から6年余104試合で54勝。
世界で誰一人この偉業を達成した者はいませんね。
つまり地球上でただ一人成し遂げた勝利で今後必ず破られるという可能性さえも諦めてしまう数値だ。
高梨沙羅は苦しみながらも周囲の陰口にも耐えながら達成したのみならず、
まだその勝利を重ねる可能性は大きいことを考えれば、
とんでもないことを続けていることを称賛し見守ってやるべきだと思います。
あなたもすでにご存じと思いますが、
3月24日にあったノルディックスキーのワールドカップジャンプ女子の、
ドイツのオーベルストドルフで個人第14戦(HS106メートル、K点95メートル)で、
平昌五輪銅メダルで21歳の高梨沙羅(クラレ)が今季初勝利となる通算54勝目を挙げて、
男女を通じてW杯歴代単独最多となりましたね。
ルンビやアルトハウスなどライバルが揃った大会で結果を出した事が、
何よりも一番重要ですね。
平壌で銅メダルが取れた自信と金メダルが取れなかった悔しさ、
W杯で1勝することの難しさを経験して、
高梨沙羅はアスリートとしてまた、ワンランクアップしたんじゃないかなと思いますよ。
ホントにおめでとうございます。
そもそもスキージャンプでは、
体が小さいのは不利になることはあっても有利になることは無いと言われていますね。
スキージャンプは、スキーが得た浮力によって飛びますから、
何の制限もなければ、スキー板が長いほど有利で、体重は負に働きますから軽いほど有利になるんですが、
実際にはこの有利不利を打ち消して公平にするためにルール(制限)が設けられていますね。
ジャンプという競技は、実際は「遠くへ飛ぶ」と言うよりも「いかに落ちないか」を競うものなので、
あまり体重があると助走路では加速がついても飛距離の点で損をします。
もともと大柄な選手のいない日本チームは体格の面で有利でしたが、
そこへもってこられたのが、
現在の145%の板のルールと、減量のし過ぎ防止のためのルールなんです。
板の長さに関しては、
最長で身長の145%の長さというルール、
体重に関しては、
標準として決められている体重より軽いと身長の145%ではなく、
それより短い板を使用しなければならないというルールがあるんですが、
高梨沙羅は、体重が軽いのでこのルールが適用されて確か、
身長の137%の長さの板を使わないといけないはずです。
実際に、このルールを当てはめて計算すると、
たとえば、
身長 170cm、体重 60kgの外国人選手だと170cm×145%≒245cmのスキー板、
高梨沙羅は、
身長 152cm、体重 44kgだと152cm×137%≒208cmのスキー板ということになります。
板は、5cm違っても浮力が違いますから、この37cm差は物凄く大きいと思いますが、
どちらかと言えば不利な高梨沙羅の強さは、
助走路での姿勢がよいので踏切までの速度が速く、
踏切から空中姿勢へ移るスピードが他選手に比べて速いので力のロスがない、
空中姿勢が良いからでしょう。
なかでも、
踏切から空中姿勢へ移るスピードが速いのは、
幼いころ習っていたバレーの影響があるのではとも言われているんですが、
やはり持って生まれた身体能力、運動神経と高梨沙羅の努力なんでしょうね。
高梨沙羅のここまでの道のりは想像以上に苦労したと思います。
オリンピックまでもなかなか勝てなくてプレッシャーを感じていた事でしょう。
今やライバル達も力をつけて来ているけど、この1勝を弾みに頑張って欲しいです。