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「リレーアタック」あの手この手で新手の窃盗が・・・防止策は?

クルマを利便性と安全性の名の下に電装品だらけの家電みたいにするからかもしれません。
それにしても、
悪い奴らはこの犯罪に限らず凄い考えと技術を編み出しますね。

それを善に向かわせれば、
これも凄い事に成り正業で泥棒よりも凄く稼げる可能性は高いと思いますけどね。

 

警察庁によると、
2016年の自動車盗の認知件数は約1万1600件で、
このうち施錠した状態で被害に遭うケースは7割以上。

 

窓ガラスを割って車内に侵入し、配線を直結させてエンジンをかけたり、
クルマのキーの電子的照合システムである、
イモビライザー」を特殊な機器で無力化したりするのが主な手口なんですが、

最近ではクルマのスマートキーをターゲットにした、
「リレーアタック」と呼ばれる新手の窃盗方法が増えているらしいですよ。

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「リレーアタック」の詳細の前にあなたも使っているスマートキーをおさらいしてみると、
そもそも
クルマのキーを鍵穴に差し込まずにリモコンでドアの開閉が可能なのがキーレスエントリーシステムですね。

コスト面での負担が比較的少ないため、
現在では軽やコンパクトカーなどにも多く採用されていますが、

 

現在の主流はスマートキーですね。
鍵に実際に触れることなく、ドアの開閉を行うことができ、
エンジンスターターができるタイプのものなんです。

 

メーカーによってスマートキーの呼び方は違いますが、
実際に自分が手に持っていなくても、
ズボンのポケットのなかにあっても使えるようになっていて、

ドアノブに触れるだけでのタイプや、
クルマに近づいたり離れたりすると自動的に施錠と開錠が可能な種類がありますね。

 

10年ほど前までは、
専用キーでないとエンジンが始動できない電子照合式の盗難防止装置「イモビライザー」を狙った、
イモビカッターが話題になっていましたが、
スマートキーはそのイモビライザーとも連動したシステムになっている場合が多いんです。

 

そんなスマートキーを狙った窃盗方法が「リレーアタック」なんです。

 

スマートキーは車体に向けて微弱な電波であるLF(長波)、
そして車体の方からはスマートキーに向けてRF(高周波)と呼ばれる電波を発信します。

これにより、
車内電波が車外に漏れて車内にあるスマートキーを車外にあると誤認しないようになっているんです。

 

その電波の有効範囲は約1メートルで、
スマートキーとクルマが各々の電波を受信することで電子的な暗号が合えばドアロックが解除され、
車内のスタートボタンを押しただけでエンジンが始動できるようになるんです。

このシステムは、
高度性ゆえに盗難に強いとの評価があったんです。

 

しかし、
リレーアタックでは犯人グループのひとりが、
クルマから離れたドライバーの持つスマートキーの電波を受信するんです。
その装置で増幅された電波を今度は犯人グループの別の人間に送信するんですね。

こうやって電波をリレーしながらクルマに近づいていくことで、
最終的にはドアロックは解除され、スタートボタン始動となるんです。

 

もっと詳しく説明すると、

 

①駐車したクルマから離れた所有者のあとをつけ、
 至近距離でスマートキーの微弱な電波を受信し、増幅して中継役に送る。

 

②電波を受信した中継役たちはそれを次々にリレーして、
 クルマのそばにいる窃盗役まで届ける。

 

③窃盗役は届いた信号電波で目的のクルマを開錠し、盗み去る。

 

エンジンを切ると走行できなくなるんですが、
発進後に正規のキー以外でエンジンがかからなくなることについても、
犯人グループはなんらかの装置で無効にしている可能性が高いんですね。

   

このリレーアタックは2014年に注意喚起されていたんですが、
困ったことにリレーアタックを防ぐための対抗策は現時点で実用化されておらず、
狙われたら相当な確率で盗難されてしまうんです。

なぜ今まで表立った被害が出ていなかったかといえば、
窃盗団がリレーアタックの「道具」を作れなかったためらしいんです。

 

しかし、
中国でリレーアタックに使われる「道具」の実用化を確認したというレポートが、
オランダから発表されたんです。

驚くことにこの中国人窃盗団の「道具」は、
20ドル(2200円?)程度で売買され始めているというですね。

 

しかし自動車メーカーはリレーアタックについての情報を出したがらないし(各社ノーコメントが多い)
警察もいまだ注意喚起していないんですよ。

従ってスマートキーのクルマを持つあなたからすれば、
なんの情報も無く突如盗まれてしまうことになるんです。(車内のバッグも簡単に盗めます)

 

また、
都心に多い2階建てや3階建ての戸建て住宅で、
玄関のすぐ前に駐車場があるようなケースも注意が必要ですよ。

駐車場に近い1階の玄関付近にスマートキーを保管しているような場合、
これも電波を傍受されてしまんです。

 

盗む側は情報をたくさん持っていて、
盗まれる側がなんの情報も無い状態が日本では続いているんですが、

このリレーアタックに対する防止策ってあるんでしょうかね?
実はいくつかあるんですよ。

 

まずひとつ目は、
多重のセキュリティを組むことなんです。

10万円程度でスマートキーとは違うロジックのセキュリティを付けることができるんです。
このシステムによってドアロックの施錠もエンジンの始動でもできなくなるんです。
(VIPERから市販されています)

 

ふたつ目は、
あなたがクルマで繁華街などに行く時にかぎり、
スマホなど携帯電話を病院内持ち込む際に使う「電波漏れ防止ポーチ」ですね。

ネット通販などで1000円以下で購入できます。
クルマから降りたら、
ポーチに入れておけばスマートキーからの微弱な電波漏れを防ぐことができるんです。

 

また、
同じようにスマートキーからの電波を遮断してしまう金属製の缶ケースの中に、
スマートキーをしまうという手段もあるんです。

 

あとは物理的にハンドルを動かせなくする盗難防止用のハンドルロックや、
タイヤが動かせなくなるタイヤロックを装着する手もありますよ。

 

ちなみに、
弱電波を出すシステムを解除する設定があります(ディーラーでやってくれます)

この設定を行うと、
スマートキーでプッシュボタンを押すだけでエンジン始動となるので、
リレーアタックから守ることができるんです(利便性という点では後退しますね)

 

現状では欧州が中心のようなんですが、
リレーアタック窃盗団が果たして日本にやってくることはあるんでしょうか?

 

もしかするとすでに被害が出ているかもしれませんが、
今年の盗難事案報告は2018年にならないと出てこないので直近の状況はわからないんです。

 

それから自動車保険の動きなんですが、
スマートキーを使うクルマのオーナー全員がリレーアタックによる、
愛車の盗難危機にさらされているんですが、

 

今のところ、
損害保険会社各社ではリレーアタックに特化したような保険商品は出していないんですが、
盗難補償のある任意保険に入り直すことによって泣き寝入りを防ぐことはできます。

 

やはり金額的に負担が増えてしまいますが、
あなたの愛車を盗まれてローンだけが残る・・・。
なんて万が一の事態に備えて検討してみるのもいいかもですね。

 

もうしばらくすると指紋と網膜と声紋の3つを組み合わせて、それは車両側に付けて、

キー所持プラス車両側のセンサーで初めてロック解除される。

なんて時代がくるかも・・・?