韓国で地震 今からは国家の建築基準法がその国の未来を左右するかも?
日本では、こんな時、冷静に行動するけど、
韓国の人達は、すぐ感情的になるという印象があるから、
被害が小さかったとしても、大騒ぎするんでしょうね。
というのは、
韓国の南東部慶尚北道の慶州付近で、日本時間12日午後8時32分ごろ、
マグニチュード5.8の地震が発生したんですよ。
なんでも、
1978年に観測を開始して以降、M5.8は朝鮮半島で最大の規模だそうで、
韓国の学者が、
1000年周期の朝鮮半島でM7発生の危機を発表したばかりで、
震源深さにもよりますが、
我が郷土熊本で起きた震度7が2回起きた地震に比べると、
M5.8などお子様クラスでしょうね。
そういえば、
「日本列島が防波堤になるから、韓国は大丈夫」とか、
よりによって東日本大震災直後に報道してましたよね?
人間だけが大地に境界線を引いて見ていますが、
地球からの視線では全ての地下は連動しているんです。
根拠の無い過信は身を亡ぼすと肝に銘じるべきですよ。
韓国では今まで地震が少なかったせいかどうかわかりませんが、
韓国の建築基本法は、
ほとんど日本の建築基準法の抜粋版と言って良いくらいですね(実際に参照してみると驚くほど似ています)
成立自体新しいですし、
構造規定に関しては日本の建築基準法の構造規定が大改正され、
現行の新耐震基準になった頃までは計算などの規定すらなかったレベルなんです。
この構造規定に関しては、
日本ではなくアメリカ西海岸の古い規定を参照しているみたいで、
韓国で「熊本地震」のような地震が起これば、
間違いなく沢山の建物が倒壊することは確かですね。
これは日本以外、世界中どこでもそういえると思いますよ。
比較的厳しいアメリカ西海岸(アメリカは適用する建築基準が合衆国一律ではありません)の、
最新の規準でも日本の耐震基準と考え方の上で耐えうる地震力などは同等ですが、
実質は計算内容で不利側になる事項が多いので、
計算法などを勘案すると何割か低くなると考えれるんですね。
また、
超高層の建物に関しての検証法などが日本ほど確立されていないです。
(構造計算が未熟ということではなく法的に一律整備されていないので個別検討要因が大きいみたい)
韓国はこれ以下である事は確かですが、
そもそも韓国には確率論として日本のような確率では大地震が起こらないので当然低くて当たり前と言えますね。
日本でも根本はそうですが、
確率論で考えられていますので多く起こりえる危険性がある地域は厳しいし、
そうでない地域は緩いのが普通ですよね。
確率上低いということであって大地震が起こらないということではありませんから、
事実M7クラス、日本の震度階で6クラスの内陸地震は過去に起こっていることはわかっているんです。
研究だけではなく技術的なことでも、
日本は沖縄以外の全ての場所で震度7クラスの大地震が起こることがおかしくは無いので、
世界の先進国で最も地震の驚異にさらされ続けている国であり、
大きな地震があるごとに日本の建築基準法は大幅に改正されてきたんです。
なぜなら、
「大地震の被害の状況から、年代ごとに家の構造的弱点がわかる」からなんです。
たとえば、
昭和53年宮城県沖地震が発生しましたね。
その後、昭和56年に「壁の量に関する規定」が改正されました。
また、
記憶に新しい平成7年の阪神淡路大震災後、平成12年には大幅に建築基準法が改正されたんです。
阪神淡路大震災では、
柱が土台から抜けて建物が一度持ち上がり、そしてつぶれるという、
いわゆる「圧死または窒息死」が80%も発生したからなんです。
平成12年6月の建築基準法の大幅改正では、
土台と柱を緊結する「ホールダウン金物」をはじめ「耐力壁のバランス」などについて改正されましたよ。
こんな感じで日本は地震を避けようもないので、
地震制御や補強に関する技術も明らかに世界で(圧倒的なほど)最も高い技術レベルがあるんです。
(研究では西海岸に地震多発地帯を抱えるアメリカなども進んではいます)
アメリカの場合は、
建築基準の主要な目的は人命損失防止で、
現行基準では最低限の地震対策しか盛り込まれていないんですね。
太平洋沿いの他の国々では、
人命損失防止以外にも、事後の利用可能性にまで配慮されていて、
たとえば、チリでは、
所有者に保守的な工事を行い、最高のエンジニアを雇用することが義務付けられているんですよ。
そこで緩い建築基準のもとで建設された建物に手を加え、
今後建物を建設する際はそれに従うという工夫が必要かもしれませんね。
また自然災害対策で厄介なことは、
滅多に起きないにもかかからわず、影響が大きく、巨額の対策費用が必要になることなんですよ。
繰り返しますが、
問題はすべて費用に関するものなんです。
たとえば、
いつかアメリカ西海岸を巨大地震が襲うとします。
今払って備えるのか、ケチって後で苦しむのか、選ばなければならないですよね。
日本でこうした費用を負担するのは政府なんですね。
政府は初期警報システムを構築するために、1,000億円以上の資金を投じ、
これによって確保された80秒を使えば、
ガスの元栓を閉め、窓から避難したりといったことができますね。
こうした事例は、
人間はここまできちんと事前に備えられるということを教えてくれますね。
どれほど建物に手を加え、地震センサーを設置しようと、
結局は、
「地震への心構え」が物を言うことになるでしょうね。
そういえば、
今日の熊日新聞に国土交通省の有識者検討委員会が開催され、
現在の「耐震基準は有効」という記事が載っていました。
ちょっと抜粋すると、
国内で初めて震度7を2回観測した被害を踏まえた上で、
2000年に規定が強化された現在の耐震基準は、
「今回の地震に対する倒壊、崩壊の防止に有効だった」
と結論づけた。
1981年6月以降の耐震基準で建てられた、
益城町の木造建物1185棟中、82棟が倒壊した。
2000年以降の基準で建てられた323棟に絞ると、
7棟の倒壊が確認された。
そのうち3棟は柱などの接合方法が不適切で、
1棟は敷地の崩壊が原因と分析。
残る3棟は明確な要因を特定できなかったが、
局所的に大きな地震動が起きた可能性を挙げた。
その上で、
2000年以降の建物の倒壊率が低かったことから、
現行基準は有効と認定。
益城町で倒壊した建物の多くは、
不十分な施工が原因だったと判断した。
という記事だったんです。
よその国ではこういった分析はしているんでしょうかね~?
ただあなたに特に要注意してほしいのが、
昭和56年(1981年)以前の建物についてなんですね。
その前までの建物では、
「壁の量が不足」していたり、また「接合部の金物が無い」なんてこともあるんです。
「壁の配置バランスが悪」】なども指摘されていますが、
これらの建物は、
手抜き工事ではなく、大工さんが心をこめて造った建物も多く当時の法律には適合していたんです。
大工さんの腕の良し悪しとは関係無いにもかかわらず、
大きな震災を経験した現在の建築基準法(平成12年6月改正)と照らし合わせると、
残念ながら不適合住宅になってしまうんですね。
つまり、木造住宅といっても、
「1981年以前の建物」と「それ以降、平成12年6月以前の建物」と「平成12年6月以降の建物」では、
それぞれは地震に対して全く別のものなんです。
また、
これは木造住宅に限ったことではなく、
マンションなども含めて全ての建物に共通していえることなんです。
日本は犠牲を伴う艱難辛苦のために、気がつけば防災に強い国家になりつつありますね。
震度6でもビルが倒壊しない、
平然としている都市は世界で日本だけかも知れませんよ。
「万事塞翁が馬」ということでしょうね。
これからは、
国家の建築基準法がその国の未来を左右するだろうし、
日本のこの「流れ」を他の国も見て、誰もが認識するかも知れませんよ。
いずれにしろ、
地震が起きたら、慌てず騒がず、頑丈な家具の下に隠れて、落ちてくる物から身を守るといいですよ。
日本ような地震の多い地域に住むことになったら、
地球に飲み込まれる恐怖に怯えながら暮らすのは止めましょうね。
代わりに、防災グッズを手元に準備しておくといいかも・・・。