「障害者の性」は本当にタブー視されてるの?
分かってて知らない振りする、あえて蓋をするのがタブーなんですが、
「障害者の性」という問題があると言う意識からなんですかね?
あなたが障害者と接触のない人なら、
エロいなんて思わないですよね。
でも障害を持とうが何しようが、皆エッチなんですよ。
それが普通みたいで、
障害を持ってるから性欲なくなるなんてことは無いし、
仮にあなたが骨折しても性欲なくならないでしょう?
そんな身体・知的・精神になんらかの障がいがある人は全国に約741万人で、
日本の人口の約6%にあたるんですね。
身体障がい児・者の98%と知的障がい児・者の77%、
精神障がい者の90%は自宅で暮らしています。
そんな男性も女性も当たり前に成長し、当たり前に1人の大人になっていく。
もちろん、
人間なのだから性的な欲求があるのも当たり前なのに、
介護福祉の現場で性については除外されているみたいなんですよ。
「しなけりゃ死んじゃう」ことではないから法的な支援がないんですね。
そして、
まだ多くの人が「障害者に恋愛や性の話は不要だ」と思っているため、
障害者は性の知識を得る場さえ無いみたいなんですよ。
日本は障害者に性を教えてこなかっただけではなく、
知的障害者や精神障害者は施設に入る際に子宮の摘出を条件にされることもあったそうですよ。
96年に優生保護法が改正されるまでは、
「遺伝性」とされた特定の疾患に加え、「遺伝性」以外の精神障害の人たちにも
強制的に輸精管や卵管の結紮など生殖機能を失わせる手術が可能だったみたいで、
法の根底には「不良な子孫の出生を防止する」という優生学的な考え方があったため、
「理由があれば子宮を取ってもいい」という雰囲気が生まれていたみたいです。
当時の医者は、
子宮筋腫などの病名をつけて、手術をしていたそうです。
そして重度の知的や精神障害の場合、
だれが親かさえ認識できない子もいるんですが、
その親が同意すれば、
不妊手術や投薬をしてくれる医師はいるんです。
ある西日本の障害者支援施設にいる人は、
「精神安定剤」と称して性欲を減退させる薬を与えられている人もいるみたいですよ。
また日本の場合、
性活動を「生活の質」(QOL)として考えているみたいで、
「身の回りの自立、日常生活をする上での活動」(ADL)なら介護保険で対応できるけど、
QOLまでは担保しませんというのが今の日本の介護姿勢みたいなんですね。
食欲・睡眠欲・性欲と同じように、
人間が生きるうえで必要な本能として捉えるならば、性欲は日常生活だと思うんですね。
恋愛をして付き合ってエッチをする、
一人でマスターベーションするのも日常生活ですよね。
しかし多くの日本人は、
「あればあったほうがいいよね」止まりなんです。
それに比べ、
欧米ではADL。絶対に必要な部分だと言ってるんです。
ICF(国際生活機能分類)でも、
性活動は日常生活と同じくくりにしているんですよ。
そんな「障害者の性」のタブーを介護保険のメニューに取り入れるべく、
活動している「ホワイトハンズ」というグループもあるみたいで、(http://www.whitehands.jp/menu.html)
それは障害者の「射精介助」で、
「風俗店としてではなく、ケアの一環として射精介助をしたいと考え、団体を作りました。
当初はNPO法人化しようと思っていたのですが認証が下りず、性風俗業の届け出をして運営しています」
と代表は語っています。
オランダでは、
障害者向けの性風俗に自治体の助成制度があり、
スウェーデンでは介護の一環として、
障害者が自慰行為をするために補助具をつけたり、
セックスする際に服を脱がせたりすることが認められているんですが、
日本では性介助は制度化されていないので、
不要な法的リスクを避けて事業を行うには性風俗業の届け出をするしかなかったそうです。
ホワイトハンズが射精介助の対象としているのは、
「医学的には問題なく射精を行うことができる身体状況にあるが、
身体障害のために自力で射精行為を行うことが物理的に困難な重度身体障害者」。
つまり、
脳性まひの身体障害者、神経難病や筋疾患の患者などに限られ、
知的障害者や精神障害者は対象にしていないそうで、
介助者は医療用の手袋をつけ、手で男性器を刺激して射精を促し、
卑猥な言葉を言ったり、言わせたり、身体に触れる行為は一切禁止で、
料金は15分で3500円で、
15分延びるごとに2千円刻みで割り増しになり、
決して安くはないですね。
最初は1時間くらいかかる人もいるが、慣れるとだいたい15分程度で終わるそうで、
スタッフには介護福祉士もいれば、元風俗嬢もいるそうです。
こういう「射精」という分かりやすい基準のある男性とは異なり、
「何を、どこまで、どのように行えば、それはケアといえるのか」
という問題があるのが女性の障害者なんです。
「性機能の健康管理」という観点からは、
陰部周辺のマッサージを通して、膣分泌液の分泌を促す、という形になりますが、
女性の場合は、
仮に手足が不自由な場合でも、他人の手を借りずに
(温水洗浄便座を使用する、ベッドにこすり付ける、太腿を重ねて陰部周辺を圧迫する等)
自慰行為をすることができたり、
男性の射精のように後始末に手間がかからない場合もあるので、
わざわざお金を払って、恥ずかしさを我慢してまで、
見ず知らずの他人に介助を依頼する必要がない、
とも考えられて、
女性障害者からのニーズやリクエストが全く出てこないそうですよ。
それと女性の性活動は日本では抑圧されてるみたいで、
健常者でさえ「エッチしたい」なんて言ったら淫乱だなんだって言われる中、
障害者も言えないですよね。
それから、
NPO法人「ノアール」というのもあります。(http://www.npo-noir.com/)
身体障害でマスターベーションができない人のための自助具作り、
やはり身体障害でセックスに困難を抱えている人の相談・具体的な性的支援のほか、
障害者の性に関する啓発イベントの開催などしているみたいで、
自助具については、
作業療法士のスタッフや企業も加わり、
これまで自慰用のアダルトグッズを固定するためのベルトや、
孫の手の先にローターをつけて性器に届くようにした「孫の手ローター」などを作ってきたみたいです。
また「性的支援」については、
まず作業療法士など専門職のスタッフが行き、
マスターベーションやセックスをする上で、
どのような困難があるのか、
身体の障害の状況を具体的に見極める調査をし、
そのうえで、
どのような支援をすれば、どのような道具を使えば、本人の希望に近づけられるのか、かなえられるのか、
個別に対応していくそうです。
「障害者の性」をテーマにしたアダルトビデオに、
希望者と共に、代表自ら出演したこともあるそうで、
風呂に入る時、ベッドに移る時、どのような介助が必要なのかを見せ、
自身の足のけいれんなど、障害もありのままに見せたそうで、
どんな形であれ、性の喜びを享受する現場から、
障害者が排除されたくはないという思いからだそうですよ。
いずれにしろ、
恋愛や結婚、性交、出産など、健常者が経験できることは障害者であろうと、
あたり前に経験できる社会であるべきでしょうね。
タブー意識をなくすこと。
これこそが、
障害者のセックスライフを充実させる近道になるのかも・・・。