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「お坊さん便」日本人の死生観は新サービスを受け入れられるの?

熱しやすく冷めやすい民族であると言われる日本人で、
寺の檀家制度が続いてこれたのは、
地域の近所同士の監視体質と世間体のお陰の面もあるんしょうね。

 

でも核家族化でそういう不便な制度になじまない人が多くいると思います。
人との繋がりが希薄になり世間体なんか関係がない人が続々と出てくる現代ですが、

 

それでも、
人並み程度のことはしたい、
そこで現れたサービスが「お坊さん便」かもしれませんね。

 

すでにあなたもご存じと思いますが、
株式会社みんれび(http://www.minrevi.co.jp/)は四十九日や一周忌といった法事(法要)で、
読経する僧侶をインターネット経由で手配できるサービス「お坊さん便」を展開していますね。

 

また昨年12月からは、
ネット通販サイトAmazon経由でも発注ができるようになったようで、

法事法要手配と戒名授与がセットになって6万5000円など料金が明示されて、

 

さらに、
「お車代・お膳料・心づけなどは不要」
「戒名は宗派に合わせて『信士・信女』『釋・釋尼』のいずれか」
などと明記されており、
料金面の不安を感じさせない内容になっているんですね。

 

他に、
自宅への訪問のみであれば3万5000円、
墓地への移動を含む場合は4万5000円といった具合なんです。

 

現在法要などでお経を読んでもらった際に支払うお布施は、
一般に3万~5万円といわれていますが、
それと別にお車代なども包まなければならないことが多いですから、

そうした分かりにくさをなくすため、
「お坊さん便」では全国一律の定額というのは確かに分かりやすいと思いますよ。

 

浄土真宗、曹洞宗真言宗など7宗派、
約400人のお坊さんを手配可能らしく、

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どうやって僧侶は“配送”されるのかというと、

まずはamazonで商品を購入して、
支払いはクレジットカードの他、コンビニ決済やネットバンキングなども利用可能みたいで、

みんれびから確認のメールが送られ、
日時や目的、宗派を返信すると、注文内容が書かれたチケットが郵送で届くそうです。

 

その後、僧侶本人から購入者に電話があり、
待ち合わせ場所の確認、故人についてのヒアリングが行なわれ、

 

そして当日、
指定場所まで僧侶が来て、法事が執り行なわれる・・・
という流れみたいなんです。

 

お布施以外の車代や御膳料(食事代)なども料金に含まれており、
追加料金は一切かからないそうです。

 

「お坊さん便」は事前打ち合わせなどが必要となるため、
最短で2週間前からの購入となるみたいで、

初回は宗派の指定はできるが、僧侶の指名はできないですが、
2回目の利用から僧侶の個人名で“注文”できるそうです。

 

ただ条件に、
菩提寺との付き合いがある方は利用できないそうです。
また、
葬儀当日の法事法要では利用できないみたいです。

 

そんな「お坊さん便」ですが大きな問題点が2つあるみたいで、

 

ひとつ目は、
どんな僧侶が来るかわからないという点です。

派遣されて来る僧侶が本当に信頼できる僧侶なのか? 
もし問題があった場合、誰が責任を取るのか? 
そのあたりが、この「お坊さん便」では曖昧みたいなんですね。
(これは確かに心配しますね)

 

もうひとつの問題は、
お布施の金額が決まっているという点です。

僧侶があげるお経は本来“商品”ではなく、
対価を決めてしまうと、それはもはやお布施とはいえないみたいなんですね。

 

また、お布施とは「喜捨」するもので、
「喜んで捨てる」という考え方なんです。

依頼者が満足した分を僧侶に渡せばいいので、
金額を決めたら「喜捨」ではなくなってしまうという心配です。

 

この2つの問題点さえクリアできれば、
ネットを利用したお坊さんの派遣も悪くはないかも。

 

ただ「喜捨」に関しては、
一生懸命"サービス"をしてくれる人に対してこ"喜捨"できるのだし、したいと思いますよね。

一般的に地域の有力者とのコネがある坊さんなどは特にガッポリ入るみたいだから、
有力者一族や関連企業からのお布施単価が高いもんだから。
鼻くそほじってムニャムニャお経唱えても、ウン十万の現金が手に入るし。(そして非課税で丸儲け)

 

"営業努力"もせず一握りの坊さんばかりが潤うのはあまりに不公平だと思いますから、
やはり「お坊さん便」みたいに明朗な価格設定をしてビジネス化していく方が良いと思いますよ。

   

こんな「お坊さん便」にも、やはり猛反発や批判はあるようですね。

特に全日本仏教会なんかは猛反発していて「宗教行為を商品にしている」と声明を出して、
アマゾン側にサービス停止を求める文書を送っているみたいですよ。

 

この猛反発の本当の理由は、
どうも「非課税特権」にあるのではと勘繰られているみたいで、

 

お布施や戒名料などは対価ではなく喜捨(寄付)と見なされ、
基本的に非課税で宗教施設についても不動産取得税、固定資産税が掛からないんですが、

「お坊さん便」みたいな民間事業者の価格明示によって、
「お布施はサービスの対価」と判断されると、税制優遇の根拠が揺らいでしまうんですね。

 

もし税制優遇を廃止すれば4兆円の財源が生まれるとの試算もありますから、
実際に納骨堂などが課税対象と判断されたケースが出てきているので、
仏教界はナーバスになって猛反発しているみたいですよ。

 

なぜ利用者に不安がられても頑なに寺院側が「料金の明示」をしないかといえば、
具体的な価格を提示してしまうと、
「商取引」とみなされて課税対象になる恐れがあるからなんですね。

「お坊さん便」みたいな新規事業者の価格明示によって伝統が崩れれば、
最大の特権である税制優遇が廃止されてしまう危険性があるんですよ。

 

だから、
「お布施はサービス対価ではない」
「宗教行為はサービス商品ではない」
と繰り返し強調していたいのかも。

 

でも、
そんな仏教団体に対しても批判があるんです。

 

この背景には世間の「仏教離れ」があるみたいで、
普段は全くお寺と付き合いがないのに、
葬儀の時だけ高額なお布施を要求されれば「ぼったくられた」と感じるのも無理はないですね。

 

仏教団体がお布施や葬儀の意味を世間に伝えたり、
普段から仏教に慣れ親しむように努力すべきだったと思うんですが、
それを怠っていたという部分もあると思いますよ。

 

そもそも飲食店は原価率がだいたい30%ですが、
葬儀業界は10%ほどで料金は相当割高なんです。

 

私たちの戒名サービスは1文字1万円ですが、
それでも高いと思いますよ(実際私も○万払ったことがありますが)

 

それから「お坊さん便」とは別ですがこんなサービスもあるんです。

 

それは「生前に申し込んでおけば葬儀料金が割引になる」というサービスで、
「小さなお葬式」で有名なユニクエスト(http://www.osohshiki.jp/)が、

2014年5月からコンビニで500円支払って申し込みをしておくと、
葬儀費用(寺院手配付き)が最大6万6000円安くなる「早割」のサービスを始めているんです。

 

まるで航空チケットの割引サービスのようなネーミングですが、
なんでも500円で加入できる葬儀の掛け捨ての保険のようなものだそうで、

申し込みから3年間は葬儀費用が割引になり、1年ごとに割引額が増すシステムなんですね。

 

家族が亡くなってから慌てて葬儀を手配すると、
サービスを選ぶ余裕がなかなかできませんから、
落ち着いた状態で選ぶ「早割」もいいかもですね。

 

いずれにしても、
こういう「お坊さん便」や「小さなお葬式」を、
利用するしないは故人(遺族)の考え方だから問題ないと思いますよ。
墓にしても色々ある時代ですからね。

 

寺との繋がりがない人にも使いやすいということと、

やはり明朗会計であることが一番だと思いますよ。

 

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