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MRJ初飛行 53年ぶりに歴史が動いた?

ドラマ「下町ロケット」関係者も喜んでそう。視聴率も上昇するだろうな・・・と思うほど、
感動の瞬間だったMRJ初飛行。

 

53年ぶりだということでしたが、
その間技術は進化し続けていただろうし、何もかもが真新しいことばかりだったと思います。
国交省の審査も含めてと言っていいくらいの緊張感がありましたね。

 

「日本の技術力と資本力とを思えば、旅客機を造っていないことこそが不思議。

日本の自動車は世界を席巻しました。それに代わる次の産業として、航空機は有力な候補なんです」

と言っていた三菱航空機の江川豪雄社長。

 

その第一歩のMRJ初飛行。
関係者はこれからも大変だとは思いますが、
夢を乗せて離陸して本当におめでとうございます。

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53年ぶりというと、その53年前は何だったかと言うと、
国家プロジェクトとして開発されたプロペラ機の「YS-11」(1962年初飛行、73年に製造終了)
だったんですね。

 

なぜこの「YS-11」が生産と飛行をストップしたかを大まかに言うと、

3点あって、
まず、時代遅れの設計だったんですね。

世界がジェットエンジンの時代に移行する中でのプロペラ機の開発。

 

そして2点目は、
「YS-11」は輸送機のような室内の快適性がなかったんですね。
そして、
機体の水抜きや配線構造に不備があったみたいなんです。

 

そして3点目は、
「YS-11」は販売後のアフターサービス面を考えておらず、
世界の航空機販売競争に敗北しちゃたんですよ。

 

そういうマイナス面の教訓を活かして、
今回のMRJ初飛行に結びついたんですね。

 

このMRJを開発した三菱航空機
出資参加企業には、
三菱系列の企業以外にトヨタ自動車住友商事三井物産などがいるみたいですが、

 

三菱重工業MRJを開発するために三菱航空機という会社を作ったんですね。
設計者や営業担当者は多くが三菱重工業からの出向者のようで、
機体の製造は三菱重工業が行っています。
 
三菱重工業のままでMRJ事業をやればいいように思えますが、
わざわざ三菱航空機という会社を作ったのは、
こんなメリットがあったんですね。

 

航空機の場合に言えることは、
「JISQ9100取得」という航空宇宙産業向けの品質マネジメントシステム規格が必要で、
製造部署だけでなく監督部署等も認証が必要なんですね。

また「NADCAP認証」という航空宇宙・防衛産業界の特殊工程の国際認証制度も必要で、
その他多くの許認可が必要になる業種なんです。

 

三菱本体のように大企業過ぎる場合は、
新規に許認可を取得する規模や事業所数が多くなりすぎると、
その審査の手間、工数、期間、予算すべてが増大しますよね。
だから事業主体を分割する方法をとることが多いみたいなんです。
 

またこれは、
開発費用など超長期の償却
多数の資産管理が必要な航空機事業ではBS資産科目(バランスシート)の処理が大きく、
この分散化の効果もあるんです。

 

さらに在庫点数も膨大ですよね。
エンジン1個で100万近いBOM点数(部品表)を持ちますので、
システムの負荷も莫大になります。

 

三菱のようにSAP(ドイツのソフトウェア企業)で管理するとなると
このカンパニー専用の開発コストだけで会社1社分の出資金位は軽く出てくるかもしれませんから、
こういった付帯間接費の節減にも大きく関わってくるみたいです。

 

また監査法人費用も削れます。
本社連結の会計を考えるより、別会社化してBS(貸借対照表)、PL(損益計算書)を分けた方が楽です。

 

と、ざっと考えただけですが、
この程度のメリットは出るのではと思われるんです。

 

そして、
もし、MRJ事業が順調に進まなかった場合に、
M&Aなどで簡単に事業を他社に譲渡する事が出来るのも、メリットかもしれませんね。

   

そんな三菱航空機ですが、
じゃ投資回収の目安は何機売れるといいかと思いますよね。

 

でも「何機売れれば」といった単純なものじゃなく、
開発費や実際の売価、月産機数、生産の習熟度などいろんな要素が絡む問題ですから、
今はまだ不確定な部分があまりに多いので、
そのあたりがきちんとしないとはっきりは言えないと言いつつも、

 

現在はMRJの1機あたりの価格はカタログベースで約47億円で、
受注合計は407機で、(2015年10月現在)
内訳は
スカイウエスト航空200機、
トランス・ステイツ航空100機、
イースタン航空40機
とアメリカの航空会社が多いですし、

 

次いで、
日本航空32機、
全日空25機、
ミャンマー10機
となっていて、アメリカ以外の受注は物足りないのが実情なんです。

 

MRJの採算ラインは当初400機と言われていて、
それならすでに利益が出る機数を上回っているが実際は違うようなんですね。

最近の説明では量産体制に入って毎月10機のペースで生産し、
10年以内に初期投資を回収するとしているので1000機程度という計算になります。

 

このクラスの世界市場5000機の中で、
最終的に2500機から3000機の受注を目指しているそうですよ。

 

この小型ジェット機の分野は世界でもライバルが多いそうですが、

この三菱航空機のMRJは日本のクルマのように世界を席巻するでしょうね♪

 

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