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ポイントカードも「元本保証」も実は損してる?

コンビニでもドラッグストアでも、最近はドン・キホーテでも買い物の度に決まって出る言葉。

「ポイントカードお持ちですか?」

と、店員から聞かれますが、私は無言で首だけ横に振って済ませてます。

 

航空業界のマイレージから始まったこのポイントカードは、
その後、家電店や飲食店などの小売業・サービス業へと波及し、
今やポイントカードホルダーが登場するまでに普及してきていますね。

 

買い物をすればポイントがつくことが当たり前になったこの時代ですが、
次の買い物で使用するまで、私たちにとっては様々なリスクを負うことになるかもしれませんよ。

 

たとえば、

(1)買い物の機会を逸して、期限切れになってしまう

(2)カードを紛失してしまう

(3)店が閉店したり、倒産したりして、ポイントが使えなくなってしまう

と、あなたも経験ありませんか?

 

ポイントを使うために、不必要なものを買ってしまったり、
特定の店でしか買い物できなかったりするのも私たちには不利な点なんです。

 

そして「お得なポイント」などと盛んにいわれますが、
カードを使えばそのまま自分の個人情報をタダで渡すことになるので、
その分損しているんです。

 

しかし、
何かを買うともれなくポイントがつくなら、つけないと損する。
ポイントが得なのではなく、ポイントカードを使わないと損する。

 

損したくないからポイントカードを使わざるをえないわけで、
その「損したくない」気持ちを吸い上げるようにポイントサービスが増殖しているし、
ポイントをためて得した気分になっているのは、

 

実は錯覚にすぎないかも・・・。 

 

通常、ポイントカードは消費者の購買額に応じてポイントが付与され、
そのポイントが基準値以上になると割引サービスなどが得られる仕組みになっていますね。

 

消費者は割引サービスを受けるためにポイントカードを利用し、
企業はポイントカードを通じて、
顧客の固定化や売り上げの安定化を図ることができる。

 

でも、
これだけではこれまであったスタンプカードと変わらない。
ポイントカードがスタンプカードと異なる点は、

あらかじめ顧客の属性(性別、年齢、住所など)を記録することができるということと、
その顧客情報とPOSデータ(販売情報)とを
結びつけることができるというところにあるみたいなんですね。

 

顧客の属性情報を持つポイントカードがあれば、
誰が、いつ、どこで、どんな商品を買ったのかを把握することができるようになっているんです。

 

そんなポイントカードの店側の思惑で私たちお客を踊らせる為のアイテムで、
客側の旨味は基本的に無いし、
あるように見せかけているだけなんです。

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中にはポイントカードを嫌う人の一番の理由は、
「自分の買い物は自分だけ知ってればいい」と思ってる人ですね。

 

買い物の内容を他人に分析されるなんてまっぴら御免。
この人はこういう買い物をするから、今度はこれを買ってもらおう、
売りつけよう…という店側の"至れり尽くせりは迷惑です・・・と。

 

あとは周知の事実でしょうが、買い物データの共有ですね。
顕著なのはTポイントカードですけど、
個人が異なるお店で買い物をした記録を共有されてしまうのは恐ろしい話ですよね。

 

そんなものは「自分だけ知ってればいい」と思いますが・・・。

 

あと、
ポイントを貯めたいという欲求を逆手に取った策略からも無縁でいたいですね。

 

ポイント倍増デーみたいな日にしか買い物しないという人もいますが、
その日は商品が他の日より若干高く売られていたりするもんです。

 

それで幾ばくかのポイントを得るのは馬鹿馬鹿しいじゃないですか。
ポイントを貯める為にその店に行くようになったら、
もう店の勝利ですからね。

パチンコ屋ですら貯玉カードに来店ポイントがつく世の中ですから・・・。

ポイントカードに左右されず、買い物の主導権はこちらで取りたいものですよね。

 

またポイントカード発行額が膨らむのに伴い、消費者からの苦情も出ているようですよ。

最も多かった苦情は、

「倒産、閉店、会社統合によるポイントの失効」。

次いで「有効期限の短さ、期限通知の不備によるポイントの失効」

「ポイント付与・利用条件の変更」なども多かったみたいです。

 

こうした状況を踏まえ、経済産業省は研究会を設置し、
企業ポイントの消費者保護のあり方に関するガイドラインを策定し、

 

(1)消費者がポイントプログラムの内容を網羅的に確認できる仕組みを整備すること

(2)積極的に重要事項を表示・説明すること

(3)トラブル等に適切な対応をとること

 

などが骨子のようですが、
ポイントの法的な位置づけについてはまだ明確に定まっていないみたいなんです。

 

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それから、
「元本保証」という言葉。
この言葉に騙されやすいのもきっと損したくないからでしょうね。

ちなみに、
流行りの「リスクヘッジ」も日本語に訳せば「損したくない」だそうです。

 

人が「元本保証」を好む理由は、
「損を儲けの3倍苦痛」というのをを回避するためなんです。

 

人は同じ100万円の動きでも、
儲けた時と損した時とで感じ方が3倍違うと言われているんですよ。

 

たとえば、
株で100万円儲かった時の幸福度を数値化したら100ポイントだとします。
一方で株で100万円損をした時の不幸度を数値化すると300ポイントになると言われています。

 

このような損と儲けに対する感じ方の非対称性
「元本保証」や「元本確保」といった言葉を過剰に評価してしまうのです。

 

このような点から運用商品選択における「ゆがみ」が生じてしまうみたいなんですね。
ちなみに、こうした認識の揺らぎは「プロが活用」します。

 

たとえば今の価格が100円の金融商品があるとします。

この金融商品は、

好景気(20%)で200円、

普通(60%)で120円、

不景気(20%)で50円

になるとします。

 

この金融商品の1年後の期待値は142円になります。
しかしながら、
損することを3倍嫌う(過大評価する)としたらどうなるのでしょうか?

 

この金融商品の一般投資家が認知する期待値は122円となります。
この差を金融業者は美味しくいただくわけなんです。

 

そういえば、
今年の6月ごろトヨタ自動車が、新型種類株「AA型種類株式」の発行を決定しましたね。

これは実質的に元本保証の商品なのですが、
これは個人投資家にとって有利な投資対象なのでしょうか。またリスクはあるのでしょうか。

 

このAA型種類株式は、
非上場で、5年間は譲渡や換金ができないという制限がありますが、
5年を過ぎた時点で、普通株に転換するか、トヨタに発行価格での買い取りを請求するのか、
あるいはそのまま保有するのか選択することができます。

 

5年間は換金ができないというのは、機関投資家にとっては致命的ですので、
投資対象にはならないだろうと思います。

 

トヨタ自身も個人投資家向けと説明していますので、
資金的に余裕があり、
5年間、出資金が自由にならなくてもよいという個人が主な対象者ということみたいですけど、

 

トヨタがわざわざこのような株式を発行する理由は、
グループ企業の持ち合いを解消し、
外部の安定株主を確保しなければならないという事情があるみたいで、

 

そのためには、
多少会社に不利であっても、投資家に有利な商品を出すという判断だと思われますから、
この「元本保証」は安心できるかもしれませんね。

 

いずれにしろ、
ポイントカードも「元本保証」も、

「これは得だよ」と言うと詐欺のように聞こえるが、

「やって損はないよ」なら信用されやすいですから、

 

あなたも損したくない。

損したくなくて損しているみたいにならないように注意してくださいね。

 

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