山口組と維新の党の分裂は自己中心性だからなの?
昔からよく言われる、
人が三人集まれば派閥ができ、
派閥ができれば分裂するのが人間社会の常ですね。
それを絵に描いたようになっているのが、
今世間を騒がせている山口組と維新の党の分裂騒動、
「おおさか維新の会」の結党を正式表明した橋下徹大阪市長は10月1日の記者会見で、
「みんな民主党の落選組じゃないですか。
維新の党は民主党の落選者を民主党に再度ほうり込むための装置になり下がった」
「維新」の党名返上と、政党交付金を双方に配分しろとか、
悪口、批判をしていますね。
一方の山口組のほうは、
六代目山口組の直系組長4人の人たちが、
「一般の方から見ても分裂に見えるんかもしれへんけど、実は分裂でも何でもない。
単なる謀叛で、謀叛を起こしたモンが絶縁や破門処分になっただけです。」
「親分に白い物を黒や言われても、それは認める言うて我々、盃飲んどるんです。
そんな大事な盃をほったらかしにして出るなんて、絶対にやってはならん。
彼らには山口組を名乗る資格はない。」
と、やはり出て行って神戸山口組の人たちの悪口、批判してますね。
そんな組織や集団の分裂は人間社会に特有の現象ですけど、
これは人間社会においては、
ありとあらゆる領域でごく普通に起きる現象ですよね。
人間社会で最も大きい組織は国家ですが、
それも民族や宗教の違いなどから分裂して二つの国に分かれることがあります。
アフリカでも、ヨーロッパなどでもありましたし、
今でも戦争しているところがありますね。
また最も小さな集団は家族ですけど、
そこでも夫婦や親子間に争いが起きて容易に分裂します。
最近の例では、
大塚家具の親子やロッテの親子などたくさんあります。
政界では政党が分裂し、(維新の党もですが、民主党や自民党なども過去に分裂しましたね)
実業界では会社が分裂し、
宗教では宗派が分裂し、
学界では学派が分裂して、
分裂しない組織や集団は存在しませんね。
その原因は、
自然界において人間だけがエゴ(自己中心性)の持ち主だからだと思います。
あなたの会社もそうと思いますが、
組織にはリーダーがいて、
規模が大きくなればそれを取り巻く中枢部ができますが、
この人たちは自己中心的な、
自分たちに都合の良い組織運営を行い、
中枢部から外れた人たちはそれに反発して離反する。
組織分裂のメカニズムは常に極めて単純で、
基本的にはそれだけであって、
ほとんど例外はありませんよね。
組織分裂はいつどこで起きても不思議ではありませんが、
起きやすい条件やタイミングはあるみたいですよ。
最も大きな条件は、
リーダーの人格的な資質で、
エゴイストな性格の人間が独善的で専横な組織運営を行っていれば、
当然分裂が起きやすくなりますね。
中枢部から外された人の性格も要因のひとつで、
エゴイストで自己主張、上昇志向の強い幹部がある程度以上の派閥を持っていれば、
やはり分裂が起きやすいですね。
また、内部に系統や思想の異なるグループが存在するような、
複合的な構造を持つ組織もよく分裂しますね。
タイミング的には、
重要な人事異動や決定事項があって、
リーダーの専横ぶりが改めて露わになったようなときには、
分裂が誘発されやすいし、
組織が長期にわたって停滞し、
先行きに明るい展望が見出せないような状況でも、
やはり分裂が起きやすいみたいです。
発展しつつあって活気のある組織は、
多少の問題があっても分裂はしにくいですよね。
ただ、
ヤクザの組織には少し特殊な要素があるみたいで、
ヤクザになる人は、
もともと反抗的で自己主張の強い性格の持ち主が多いと思うから、
ヤクザ組織は最も分裂しやすい部類に入るかもしれません。
そこでヤクザ社会においては古来から、
分裂や内部抗争を防止するメカニズムが作られ、
伝統として受け継がれてきているのが、
盃の儀式によって固められる、
親子、兄弟の疑似家族関係がその根幹なんですね。
盃を受けて子分となった者は、
親分に絶対服従しなければならず、
背けば破門されてヤクザ界から放逐されますし、
舎弟も同じで、
兄貴分に背けば絶縁されてやはりその世界から去らねばならないんですね。
要するにヤクザの組織は親分が絶対的な権力を握り、
離反や分裂が起こり得ない仕組みになっているんですが、
それだけではもちろん片手落ちだから、
親分としての条件が厳しく求められるんですよ。
親分に求められる条件は、
能力的側面の「力量」と
人格的側面の「器量」ですが、
器量の要件は、
「どれだけ己を捨てられるか」
ということなんです。
言い換えれば、
どれだけエゴや自分勝手を脱却できているかということであって、
そうでなければ下に就く者はやってはいけないんです。
先ほどの六代目山口組の直系組長4人のインタビューの中にもありましたが、
「親分が白いと言ったら黒いカラスも白い」
という言葉、
これは裏を返せば、
親分は決して理に適わないことはしてはならない、
黒いカラスを白いと言ってはいけないということなんですね。
一般の会社社長と違ってヤクザの親分が世襲でないのも、
血筋よりも親分としての、
力量、器量が問われるからでしょうね。
また、
今回分裂したの維新の党は同じ政界で併存できますが(選挙結果にもよりますが)
絶縁や破門によって分裂した組織が、
同じヤクザ社会の中で併存しているなどということは、
本来はあり得ないみたいで、
破門、絶縁を言い渡されればヤクザの世界から身を退かなければならないんですが、
もし自らそうしないのなら、
言い渡した側は実力を行使して放逐しなければならないのであって、
そうでなければメンツが立たない。
言い渡された側も、
もしヤクザ社会に居座りたいなら、
母体組織を潰さなければ新組織創立の大義名分が立たない。
それが昔からのヤクザ界の秩序の在り方で、
だからこそ分裂は直ちに抗争勃発につながってきたんですけど、
暴対法などの法律と警察の取り締まりの強化で、
抗争も起こせない状況みたいですから、
もしかすると、
今までにはなかった併存する状況が続くかも・・・。
いずれにしろ分裂していちばん喜んでいるのは、
ヤクザ記事を書いている実話誌3社ぐらいかもしれませんよ。
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