景気判断を「ネット上の言葉」でする新指標は財布の中身？
景気の動向を判断する指標を開発する方針を、
インターネット交流サイト（SNS）を通じて発信された言葉からすると、
経済産業省が8月20日に発表したニュースが流れましたが、
これは本当にあてになるのだろうか？
このニュースのコメントを拾ってみると、
・ネットだけで判断するのは危険だと思うんだけど……。
・そんな下らない調査に税金幾ら使う気なのか？
・景気が良くて忙しい人はＳＮＳなんてしないんじゃない？
・ネットは無責任な発言が多いので慎重に検討しないと。
・根拠が某巨大掲示板とかここだったら笑うしかない。
・昔はネット使えばもっと偏らない統計やら情報が集まると思ったけど、
単にそれを知った一部の人たちばかりが情報操作するばかりで
ぜんぜんまともに機能しないのがわかったから、ネットはやめた方がいい。
読むばかりで発言しない人もたくさんいるし。
・“ハッタリ”の場合も充分有り得る！
・インフルエンザは流行しだすと、検索数が増えるらしいよね。
個人の最先端の意識を調べるには有効なのでは？
・参考にするのなら分かるけど、それじゃ今までの経済白書とか日銀の経済短観とかの
基準は現実とずれていたということなのでしょうか？
・ネットを使えない老人の声をどうする！？
・同一の端末から大量に同じ言葉が流れたり海外から同様の行為があった場合に
判断基準をどうするのか、
このままだと税金の無駄になってしまうからそこも気になる
・ネット上の景気判断は、
ネットはマイナスな発言が多いから、逆に国民にとってはいいのかもね。
マイナスな判断が多ければ、
政府も紳士に受け止めるきっかけに少しでもなるかもしれないし。
政府はこの国の危機感がまだ薄いからね。第三の矢はどこへやら…。
・今はタクシーの運転手等から得た情報を景気判断にしているはず。
SNSのビッグデータを使うのは初期の開発コストが掛かるが，
その後のランニングコストは非常に安価になる事を狙っている。
・その前に、現在使われている経済指標の読み解き方、
使い方を普及させることが重要でしょう。
報道発表を見ていても、発表側もマスコミも煙に巻いているようだ。
経時推移を各指標毎にモニタリングして、その傾向を分析しなければならないのに、
一部を切りとって観念論で報道するメディアの多いことが嘆かわしい。
経済指標の報道のためのガイドラインでもまずは作った方がいいんじゃないの？
・ウチの母親は、スーパーでみんなの買い物かごの中身の変化を見て、
「バブル崩壊」を予言してたなぁ。
親父は信じてなかったので大損、俺は信じて丸儲け、二人合わせてトントンでした。
・高齢者や忙しい人は使わない
若い人や学生が多いのに集計して何になる？
どぶに税金使うようなものだ
そんな事に税金使うなら赤字国債の償還に使え
まだまだたくさんのコメント（１７６件の一部）がありますが、
興味を持つ人もいる反面、
否定的な見解が多いみたいですね。
今までの景気判断 、景気動向の調査としては、
雇用統計や個人消費、設備投資の伸び率、輸出額などの統計を用いて
経済の全体像を直接的に分析するマクロ調査と、
主として企業に対する聴き取り調査を通じて得た情報に基づき、
分析するミクロ調査があったみたいですが、
たとえば、
雇用統計で、雇用される人が増えていると自慢している人がいますが、
正規雇用は減っているんですね。
増えているのは非正規のみです。
つまり、
低賃金で不安定な雇用ばかりが増えているということで、
これでは結婚も子育てもできない人ばかりが増えて、
人口減少と高齢化に拍車がかり、持続不可能な社会となって、
いずれ日本経済は沈没なんてことにもなるかも。
また、
企業に対する聴き取り調査でも、
大企業や製造業に偏った四半期ごとの景況感調査や、
サンプルが少なく偏りのある月次景況感調査、
実体経済とかけ離れたり、
タイムラグの大きな景気指標があるだけで、
現実との大きなギャップを感じているとあなたも思ったことがあるかもしれません。
ということは、
本当の景気判断は、コメントの中にあった、
「スーパーでみんなの買い物かごの中身の変化を見て・・・」
は意外とあてになるかもしれませんよ。
でも本当の景気判断にあてになるのは、
案外、
景気の波と一致、あるいはもっとも近い経済指標は、
自分の財布の中身かも。
政府やマスコミが好景気だと煽っても、
自分の財布の中身がスッカラカンでは不景気と思いますから、
ネット上でもネガティブな言葉しか出てこないから、
これに勝る指標はないかも・・・。
●関連記事
