「香害」ニオイ気にし過ぎで被害者が増えている?
最近ニオイが無駄にあるものが増えているのかもしれません。
シャンプー、石鹸、洗濯洗剤。
柔軟剤や香水、香りの強いシャンプーや整髪料。
そして汗のニオイやタバコのニオイ。
こういう香りつき商品の成分で「化学物質過敏症」や「シックハウス症候群」などになる人たちが、
急増して「香害」と呼ばれているみたいですね。
ある小学校の近くに住んでいる人の話では、朝の登校の時間は凄いらしいです。
そここらじゅう洗剤・柔軟剤の臭いで充満して、
外でそうなのだから、教室はもっと匂うのだろうと、想像がつくそうです。
近頃のものは臭いが長続きするように作られているためか、
洗濯しても、臭いが充分落ちないんですね。
香りのない洗剤を使い続けているのに、
外でもらってきた臭いが残って怖いですと。
そんな小学生の生徒で「化学物質過敏症」の子は、
壁のペンキや児童・教師から流れ出る洗剤・柔軟剤の成分に反応して、
頭痛や足のしびれ、鼻血、発熱などの症状が出たりしますし、
「シックハウス症候群」の子は、
多くの人が何も感じないほど微量の化学物質にさらされると、
頭痛・思考力の低下・目のかすみ・息苦しさなどの症状が出る子もいます。
こういう柔軟剤などの人工的な香りが原因で、
このような健康被害や化学物質過敏症などの被害にあうことから、「香害」と呼ばれているんですね。
ちなみに、
あなたは衣服についた気になるニオイを対策するための柔軟剤の成分表示を見たことがありますか?
メーカーによって様々なんですが、
ひどいものだと界面活性剤しか記載してないケースもありますし、
香料と記載がありますがどのような香料なのかは記載していません。
香料ひとつとっても、その種類は4000種類にものぼり、
そのうち世界で流通している香料は500種類と言われています。
その香料をいくつか組み合わせて、消費者のニーズに合うようなニオイを作っていき、
その複数の香料をひとまとめにして、成分表示に香料として載せているんですね。
これらの成分は企業秘密になっており公開はされていないんです。
柔軟剤の成分表示で多く記載されている成分が、
界面活性剤のエステル型ジアルキルアンモニウム塩で、
次に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、そして香料と続くんですが、
どちらの界面活性剤もアレルギーの問題が懸念されていますし、
皮膚への刺激も懸念されているんですよ。
でも実際にこれらの成分は、
柔軟剤だけではなく通常の洗濯洗剤にも使用されています。
もちろんメーカーは、適量の使用なら問題はないと主張しますが、
それが毎日となると、経皮毒として皮膚や口から化学物質が取り込まれていき、
その積み重ねによって「化学物質過敏症」を発症してしまう可能性が出てくるみたいですよ。
ある女性は妊娠したら体質が変わったのか、
ニオイのきついシャンプーや化粧品や洗剤などダメになった時期があったそうです。
最後の出産からだいぶ経った今も、
ドラッグストアで柔軟剤や樟脳の置いてあるコーナーは息をとめて急いで通り過ぎるそうで、
一度そういう「化学物質過敏症」の症状になったら、
一切ダメなものをシャットアウトする生活をしばらく続けるしか治す方法は無いと感じているそうです。
時間がたてば治るというより軽くなるイメージで、
テレビCMでニオイが何週間も続く柔軟剤など見るとゾッとするそうですよ。
洗っても落ちないなんて恐ろしい。
その服着たくない、いい匂いが他人にとってもいい匂いとは限りません・・・と。
確かに香害や化学物質過敏症は、他人事ではありませんよね。
もしかしたら何かの因果であなたも突然発症してしまうかもしれませんから、
自分自身で身を守るしかないですね。
ではどうしたら良いのか?
まずは身の周りの化学物質を先ほどの女性のように排除していくことなんです。
①シャンプー、リンス、洗濯洗剤、柔軟剤、歯磨き粉などをせっけんに変えていく。
肌に触れるものは、全てせっけんを使うということです。
②芳香剤、防虫剤、消臭スプレーなどは使わない。これらは成分が気化して体内に取り込まれます。
③加工品、食品添加物、農薬、遺伝子組み換えなどの食品を避ける。
できればオーガニックなどの安心安全な食品を買う。
④スマホ、タブレット、WI-FIなどの電磁波対策をする。電磁波をカットする製品も発売されています。
⑤ストレスを緩和する。ストレスは万病のもとです。
⑥水を飲む。水を飲むことは、体内の毒素排出に役立ちます。
⑦温泉、入浴。湯船につかると体温があがります。同時に免疫もあがります。
⑨柔軟剤を手作りする。
クエン酸や酢、あなたの好きなアロマ数滴で立派な柔軟剤になります。
タオルも水を良く吸うようになりますよ。
重曹もいいですよ。こちらは匂いがつかないどころか逆に匂いを取ってくれます。
なかなか一度に変えるのは難しいと思いますし、同時に相当お金がかかります。
しかし、
病気になってからでは更にお金がかかってしまいます。
あなたもできることから始めてみてはどうですか。
それにしても、
なんで「香害」が出るほどニオイを気にする被害者が増えたんでしょうね。
これは家庭内から強い「生活臭」が消えたのもひとつの原因かも。
汲み取り式トイレはなくなり、焼き魚や煮物のニオイはダクトに吸い込まれますね。
そして、
あなたの家の気密性が増したから、
父親の体臭やトイレ・靴箱のニオイが気になるようになったりしていますね。
またあなたが子供の頃、祖父母と一緒にに暮らした経験のある人は、
加齢臭を嗅いでも「おばあちゃんのニオイだ。懐かしい」と感じるんですが、
経験の無い人はクサイとしか思わないですよね。
また最近の若い人たちは小さい頃から天然の香りに触れることが少ないですね。
たとえば、
天然のイチゴを食べる前に、イチゴの香料の入ったアイスクリームやチョコレートを食べます。
そういう経験の積み重ねで、人工的な香料などのニオイはよくわかるんですが、
天然の複雑なニオイはよくわからなくなっている可能性があるんです。
それからあなたの職場では、
ニオイに敏感な女性が増えたことと、人間関係が希薄になったことも関係しているかもしれませんよ。
以前のように人間関係が濃厚なら、お互いのニオイは嫌だとは思わなかったでしょうけどね。
そして、
節電意識が高まって、冷温温度の引き上げが広がって、
職場内や車内が暑くなって汗をかきやすくなったこともあるんでしょうね。
あなたも知らなければ気にならないが、
いったん気にし始めると気になって仕方ががなくなるという認知特性がありますもんね。
だから「ニオイ(体臭)気にし過ぎ」社会になったんでしょう。
なかには、
体臭の悩みで病院に来る人が増えているそうですが、実は7割はそれほど体臭が臭くないそうですよ。
そういう人は、
自分がニオっているんだと悩んで、消極的になり、
人間関係を築けない人たちが増える害の方が大きいと気づいているんでしょうか。
本当は体臭は人類にとって、とても大事な役目を果たしているんです。
たとえば、
あなたの娘さんが思春期に父親の体臭を嫌うようになるのは、
近親相姦を避けるという意味で大事なことなんです。
ニオイが自然状態に近いほど人間の生き残りに役立つのに、
消臭剤や制汗剤が流行っている方がちょっと困った問題かもしれませんよ。
そして人間は、
「匂いで判断すること」を忘れてから、第六感を失ったとも言えるんです。
大昔の縄文人は、風の匂いで天候を事前に知っていたそうで、
ニオイで判断する視点も知っていることは、人生に役立つと思いますよ。
犬もふくめた動物たちは、視力が意外にも弱くて、その大半がニオイで判断しているとも言えますね。
ニオイからの判断は、相手の表面にはダマされないで、正しい選択をさせたりするなど、
かなり事前に色々なことを教えてくれるんです。
だから「相手の匂いを視る」という習慣を覚えておいてくださいね。
とは言っても、
匂うモノはニオイますもんね。