荒尾市「地域おこし協力隊員」で麦味噌作り 共感はできても真似できる人は少ない?
仲良く移住できる夫婦の話はホッとしますね。
共感はできても真似できる人は少ないと思うが、ある意味憧れの余生かも。
我が郷土熊本県荒尾市で「地域おこし協力隊」として熊本県では初めてのケースで、
途絶えつつあった麦味噌作りの技術を受け継ぐ決意をした夫婦がおられます。
2016年から荒尾市に住み始めた前田道範さん(39)はオリーブ栽培、
そして奥さんの優さん(41)は、
縁もゆかりもない荒尾市で、当初は地方暮らしや協力隊員の活動に戸惑いもあったが、
麦味噌作りのグループと親睦を深め、居場所を見つけたそうで、
この麦味噌は荒尾市の折敷田(おしきだ)という地区で、
麦味噌作りが何代も前から行われてきているみたいだったが、
高齢化が進んで後継者がいないらしく前田優さんを後継者にしたいと言われたそうですよ。
「心豊かな暮らしがしたかったんだよね。午前9時から午後5時まで会社にいて……みたいなのより、
自分たちで決めて働いて、それで外に出たり、
自然とかアートに触れたりとかする生活がしたいなーって思ったんですよね、私たち。
それが農業とか、味噌作りとかやっていくモチベーションになってる」と。
そして、
「ゆくゆくは、ここでできた麦味噌をブランド化して東京でも販売したり、
日本にくる外国からの観光客の方にも、
ここならではの味噌作り体験をしてもらうツアーができたりしたらいいなって思ってるんです」と。
一度前田優さんが作った麦味噌を食べたくなりますね。
そもそも「地域おこし協力隊員」とは、
2009年に総務省によって制度化されて、2015年度には全国673の自治体で2,625人の隊員が活躍しているそうで、
地方自治体が募集を行い、地域おこしや地域の暮らしなどに興味のある都市部の住民を、
受け入れて地域おこし協力隊員として委嘱するんだそうです。
総務省が隊員1人につき報償費等として年間200万円~250万円、
活動費として年間150万円~200万円をそれぞれ上限に地方自治体に対して特別交付税措置をし、
隊員の期間は概ね1年以上最長3年までとしているみたいですが、
3年を超えても活動の継続は可能みたいです。
任期後の仕事は保証されていないが、
前田夫妻の場合は荒尾市に残る選択をしたそうですよ。
前田夫妻は荒尾市や麦味噌作り、オリーブ栽培などと相性が合って残られたようですけど、
「地域おこし協力隊」には受け入れ地域によって「当たりハズレ」があるみたいですよ。
ビジョンを持たない自治体側が、
“臨時のお手伝いさん”感覚で協力隊を受け入れる例もあるみたいですし、
費用は国が負担してくれるし、人手が足りないから、とりあえず隊員で賄おうとする地域が目立ち、
本来、地域内でやるべきことを、よそから来た若者に押し付けて、
任期が終わればポイと、使い捨てするところもあるそうです。
だから、これから「地域おこし協力隊」になろうとする人にとっては、
ある程度の「自己責任」が求められるでしょうね。
また「地域おこし協力隊」というのは、地域により、2つのやり方があるそうで、
1つは、地域のミッションなどもなく、自ら見つけるやり方。
もう一つは、地域の決められた仕事が前提にあり、それにプラスして生業を見つけていくやり方。
前田優さんの場合は、
その麦味噌作りのリーダーの女性が、優さんのおばあちゃんにとってもよく似ていたのが、
一番の理由で、自ら見つけるやり方だったみたいですね。
田舎暮らしを体験でき、
しかも生活が保証される中には移住の引っ越し費用まで持ってくれる「地域おこし協力隊」。
あなたが荒尾市の前田夫妻に憧れるなら、
ネットで見るような町おこしのヒーローになれると勘違いしたり、
華やかなウリ文句に釣られて応募したりしないようにしてくださいね。