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「虫歯治療後の2歳児死亡」歯医者は蘇生技術と救命行為はできない? 

昨年の7月の出来事という事でなぜここまで明るみにならなかったのかということも気になりますが・・・。

 

2歳で虫歯になった場合、すぐに歯医者に通うことになると思います。
歯医者では、その虫歯の進行具合によって、治療を変えていきますね。

 

でも歯医者では本格的な虫歯治療を避ける場合があります。3歳まで待ちましょうと。
それは、削る時に痛みがありますし、2歳の子はたいてい大人しくできないからなんです。

ネットやタオルでぐるぐる巻きにすることもありますが、そうするとトラウマになりますからね。
2歳だとまだ口もからだも小さいので、麻酔や器具をいろいろ使うには負担もあります。

 

そんなからだに負担をかけたのが原因かどうか今はわかりませんが、
あなたもご存じのように、
2歳児の虫歯治療で死亡事故も起きていますね。

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去年7月、福岡市のにこにこ小児歯科医院で当時2歳女児でお化粧ごっこが大好きだったという山口叶愛ちゃんが、
虫歯治療後に亡くなっていたことが分かりましたね。

 

山口叶愛ちゃんは、5月にフッ素を塗る目的でにこにこ小児歯科に行ったが、
虫歯が8本あるからと言われ、4回治療を受けたそうです。

 

4回目に受けたのはゴム製のカバーを使用した治療で、
治療する虫歯だけを露出させカバーで口を塞ぐもので、この時には初めて局部麻酔を使ったそうです。

 

1時間の治療後、山口叶愛ちゃんに異変が生じて、
顔は青ざめ、目の焦点も合わず、唇も紫だったそうで、

 

異変に気づいた両親は歯科医院に説明を求めたが、「よくあることです」とのことだったそうで、
歯科医院内で山口叶愛ちゃんの様子を見ていたが、回復しなかったため、

 

治療の45分後、
両親の判断で近所の徳洲会病院にそしてその後、福大医学部附属病院に搬送したんです。

 

熱は42℃以上だったが、手足は冷たかったそうで、
徳洲会病院で心臓が止まったと言われ、7時間後、福大医学部附属病院へ救急搬送されたんです。

 

山口叶愛ちゃんは顔が腫れて、足は真っ黒になり、口や鼻から血が出ていたそうで、
山口叶愛ちゃんの様態は回復せず、2日後に亡くなりました。

 

両親は死因について警察から低酸素脳症と言われたそうです。

低酸素脳症は体内の酸素が不足し、脳に障害を起こすものなんですが、
両親の話を元に担当の女性歯科医師の見解を聞いたところ、

 

その女性歯科医師は、
治療に使ったゴム製カバーについて小児に使うと鼻呼吸が身についていないので、
酸素が不足したのではないかと話し、

 

唇が紫になり、けいれんする症状から考えられることについては、
内科医は酸素が足りない状態なので脳が活動出来なくなると指摘し、心不全の状態の可能性が高いと言い、
アナフィラキシーの可能性があるというんですね。

 

アナフィラキシーショックとは、
アレルギー反応により、呼吸困難や意識障害を招くもので、

内科医はバイタルを確認し、
すぐに全身管理のできる病院に救急車で運ぶべきだったと話しています。

 

治療をしたにこにこ小児歯科側は、
現在事実関係及び医学的機序に関して公的機関による調査が行われている最中で、

少なくとも上記調査結果が明らかにされるまでは、
三者からの問い合わせには応じないコメントを出しています。

 

両親は福大医学部附属病院から通報を受けた警察から業務上過失致死で調べていると説明を受けたというが、
虫歯治療と死の因果関係は分かっていないそうですよ。

 

このにこにこ小児歯科医院の高田院長は、
日頃から「(特に小児歯科治療は)万が一ということがあるから、気をつけないといけない」と言っていたそうです。

 

また担当した女性歯科医師は、
とても真面目で優しく、治療が上手かつ丁寧で人柄の良い歯科医で、
いつも子供目線で優しく対応し、保護者にも丁寧だったそうです。

事件後、
「二度と歯科医はしない出来ない」と言っていたそうですよ。

 

やはり医者と歯医者の教育で決定的に違うことが出たみたいですね。

 

「臨死と蘇生への教育」で、
緊急時の蘇生技術はほとんど実習訓練されてないし、訓練されてない救命行為はできないのが歯医者。
医者は撤退的に救命行為を訓練されていますからね。

 

そして今は子供を虫歯にさせない時代です。
歯磨きの大切さを子供も親も様々なところで目にするし、母子手帳にも書いてあります。

 

だから歯医者だって2才の子供に麻酔が必要なほどの虫歯の治療をするという経験、
あまりなかったんじゃないかなと思いますよ。

 

2月20日追伸
警察の司法解剖の結果、叶愛ちゃんの死因が「急性リドカイン中毒による低酸素脳症」だったそうです。

局所麻酔薬のリドカインは、血中濃度が上がるとけいれんなどの中毒症状を引き起こし、
適切な処置をしなければ死亡することもあるんだそうで、
 
叶愛ちゃんの歯茎粘膜の広い範囲に出血が確認されたことから、
司法解剖の鑑定は誤って血管に麻酔薬が投与された可能性を指摘しています。
 
警察は、業務上過失致死容疑での立件を視野に捜査しています。

 

 平成23年歯科疾患実態調査 統計表では(厚生労働省から)
2歳児で虫歯がある率は7.5%だそうです。
また、治療していない率も7.5%だそうで、

2歳で虫歯になるということは、
感染が早く更にかなり虫歯になりやすい体質だったんでしょうね。

 

2歳の時はイヤイヤ期に重なる上に口腔が狭く、
一般の親が虫歯を発見するのはかなり難しい時期といわれているみたいで、

統計上殆どの親が気が付かず、また治療も出来ていない中で、
きちんと治療をしていたこの両親は、かなり子供に対する観察をマメにしていたと思われますよ。

 

少なくとも統計の上では、かなり優秀な両親と思います。

山口叶愛ちゃんにお悔やみ申し上げます。

   

ところで、
同じ福岡市で以前も南区の小児歯科医院で女児が虫歯治療後に死亡した事件がありましたね。

 

死亡したのは福岡県宗像市の公務員、佐々木富雄さん、みどりさんの二女、桃香ちゃん(当時2歳)で、
2000年6月14日、
「小児歯科はまの」で治療後に意識不明になり、6日後に死亡したんです。

 

地検によると、
医院では歯科医や歯科衛生士計4人が麻酔や歯を削ったりする作業を交代で分担し、
桃香ちゃんの容体変化を把握しにくい診療体制を取っていたと判断し、理事長の管理監督責任を認めたんです。

 

桃香ちゃんは拘束具で診察台に固定されたうえ、
歯を露出させるためのマスクを着けられ意思表示できなかったみたいで、

女医は桃香ちゃんの顔色が悪いのに気づき、呼吸の有無を確かめようとしたが、
結果的に確認が不十分だったと判断したそうです。

 

地検は9月、2人に略式起訴する方針を説明したんですが、
女医は自らの責任を認めたうえで、
「略式では(診療を分担する体制の)問題点を明らかにできない。誰にどんな責任があったのかを明確にしたい」
として拒否し、残る4人は当時は捜査中だったんです。

 

医院側は「再発防止に向け診療体制の見直しなどはすでに完了している」と話し、
日本歯科医師会は、
「分担制を取るなら、患者の安全のため、担当者間の連絡を緊密にとることが不可欠」と指摘したそうです。

 

そういえば、日本小児歯科学会のHPには、「小児の歯科治療の前に」という記述があります。

 

歯の治療は大人でも嫌なものです。大人は我慢できることでも子どもにとっては大変です。
特に小さいお子さんの場合は次のことに注意して下さい。

 

(1)幼児の治療は体調の良い午前中に受診することをおすすめします。
  昼過ぎや夕方になると疲れて機嫌が悪くなることが多いものです。

 

(2)なるべく嘘をついて連れてこないようにして下さい。かえって嫌がる原因になります。
  そのかわり治療の後は、たくさん褒めてあげて下さい。

 

(3)幼児は歯科治療で嫌がって泣いたり暴れたりすることもあります。
  汗をかきますので特に冬場などは下着などの着替えを用意してきて下さい。
  また治療中はTシャツなど身軽な服装にさせましょう。

 

(4)待合室ではなるべくリラックスさせるように保護者の方が本を読んで聴かせたり、
  おもちゃで遊ばせてあげて下さい。

 

「麻酔の注意」

小児歯科では恐怖や痛みを取り除くために治療のときに局所麻酔をすることが多いものです。
これは大人と同じで注射によるものが普通です。特に心配のないものですが、

アレルギー体質や慢性病で薬を飲み続けているなどのお子さんは、あらかじめその旨を歯科医師に申し出て下さい。 
麻酔をして治療した後、くちびるがしびれていることがあります。

 

2時間ぐらいしびれがとれないことがありますので、
くちびるをかんだりさわったりさせないように注意して見てあげてください。

もしかんではれたりした場合は、
すぐにかかりつけの歯科医師の先生に連絡して処置をしてもらって下さい。

 

とちゃんとした記述ですね。

事件を起こした歯科医たちは、この記述を読んでいたのかな。

 

最後に、

死を迎えるどんな人も最期に望まれるのは「思い出」です。

 

その「思い出」も意識しないまま亡くなった山口叶愛ちゃん。

 

ご両親にとっては辛い「思い出」だったかもしれませんが、

 

結果よりも、その「過程」を重視して、自分なりに「良い思い出」を創ってくださいね。