「ネズミ捕り対策」今どきの取り締まりはどうなっているの?
本当に事故多発地帯なのか首を傾げるのは否定しないが、
リアルに事故多発地帯になったら遅いと思う。
というところまで想像できませんか?
クルマを運転するあなたにとって身近に気になることといえば、
いわゆる“ネズミ捕り”と呼ばれる交通違反の取り締まりがどこで行われているのか・・・ですね。
そんな交通違反取り締まり地点について、
警視庁は4月から詳細な場所をホームページで事前公表しているようですね。
事故多発地点が対象で、
都内100か所以上の重点的に取り締まりを行う場所や交差点名などの地点を事前に公表することで、
信号無視など悪質な交通違反を摘発するのが狙いだそうですよ。
そんな東京で10年ほど前にはハイエースの荷室に設置された移動オービスが、
猛威を振るいましたが、
最近ではすっかり稼働していないようですよ。
でも今注目されているのが「可搬型」と言われている新タイプ移動式オービスなんです。
2つのタイプがあるらしく、
①「据え置き型」
ちょっと大きくて、ハイエースなどで取り締まり場所に運んで設置し、一定時間置いて回収に行くんですね。
比較的交通量が多く速度違反が多いバイパスや一車線対面通行の高速道路(圏央道での目撃報告あり)
などで使用されているようです。
②「三脚設置型」
レーダー式ネズミ捕りのごとく、三脚に本体を固定して路肩に設置して取り締まりを実施します。
いわゆるネズミ捕りでは進行方向先に停止係とサイン会場の準備が必要で、
ある程度の広さ、駐車スペースなどが必要でしたが、
この簡易型移動オービスならば、
違反車の写真をパシャパシャ撮影して、あとから呼び出せばいいので、
極端な話、警官一人いればできちゃうみたいですよ。
30㎞/h規制の通学路や生活道路などで、
取り締まりに効果を発揮しているようです。
現状では埼玉県警と岐阜県警のみみたいで、
いまのところ全国展開はされていないようです。
そんな移動式オービスですが、
今まであった定置式速度取り締まりがすべて移動式オービスに切り替わることは無いようですよ。
なぜなら、
その場で決着が付く定置式は、
月末などでノルマに追われている際には「揚がり」がすぐ確定できるために、
現場にしてみればとても嬉しいことだそうで、
あとから呼び出すオービスは現実的には手間がかかるため、
使い分けられるみたいです。
こういうオービスに対して、あなたはどう対処するといいんでしょうね?
まず従来からの固定式に関して言えば、
一番効果絶大なのは、
「設置場所を覚えておく」こと。
これに尽きるんですが、
全国各地のオービスの場所など覚えきれないですよね。
固定式オービスの場合、
必ず事前に警告看板が出ているため、これを見逃さないことが大切ですよ。
通常は手前に2枚看板が提示されている場合が多いんですが、
まれに3枚というケースもあるし、1枚ということもあるため、
とにかく警告看板を見たら気をつけることしかないかも。
でも「三栄書房」のオービスマップをインストールされているカーナビは便利みたいで、
オービスポイントに近づくと音声で警告してくれるそうですよ。
Hシステム(高速道路で見かけますね)はレーダー波によるものなので、
レーダー探知機が有効なんですが、
LHシステムはループコイルなのでレーダー探知機は使えませんよ。
可搬式移動オービスはレーダー波を出しているのでレーダー探知機は使えるのですが、
三脚設置型は常時照射では無いようなので、
レーダー探知機が反応した時には計測ずみ、という可能性もあるんです。
ですから、
移動オービスについては、事前察知の決定打は無いんです。
ちなみに「オービス」という呼び名の由来ですが、
日本で最初に開発・製造された自動速度取締り機の商品名が「オービスⅢ」であったことから、
自動速度違反取締装置を総称して「オービス」と呼んでいるようです。
ところで「ネズミ捕り」はどんなところでやっているかと言うと、
代表的なのは、
流れのいいバイパスなどで、街中に入るような場所で、
たいていそこまでは制限速度解除の60㎞/hかあるいは70㎞/h制限だったりするんですが、
街の入り口で50㎞/h規制がかかっているような場所なんです。
それまでの流れで走ってくると、
それだけですでに10㎞/hオーバーですよね。
こんな場所はネズミ捕りの名所となるんですよ。
あなたが初めての場所なら、
周囲を走る地元車両の動きを見て、
それまで飛ばしていた地元のクルマが速度を落とすようならば、
そこは地元では知られていたネズミ捕りの名所だということですね。
そういえば覆面パトカーの台数も増えているんです。
特に高速道路では、
以前は本線上でも実施していたネズミ捕りをやらなくなって、
そのぶんパトカーを増強することで対応しているみたいですよ。
この交通取り締まり用覆面パトカーは圧倒的多数派でクラウンですね。
現在活動中の覆面パトカーの多くは3種類みたいで、
①S180系「ゼロクラウン」
②S200系「先代型クラウン」
この2台のクラウンなんですが、
この春からS180系ゼロクラウンの入れ換えに導入が進んでいるのが・・・、
③現行型S210系クラウンアスリート
なんです。
この現行型S210系クラウンアスリートはすでに都内、神奈川県警、大阪府警などで、
活動しているのが報告されているんです。
また、
マークXは全国配備されて各地の高速道路などで活動中みたいです。
こういう覆面パトカーの見分け方なんですが、
もはや昔のような「わかりやすい」特徴は皆無みたいなんですよ。
昔みたいに8ナンバーではないし、
ホイールだって普通のアルミホイールですし、
ドアミラーなんですよ。
助手席側Aピラーの補助ミラーも今はありません。
ボディカラーも標準設定色はすべてありますが、
シルバー色が最も多いように感じますが、白もあれば紺もあるんです。
S200系、S210系クラウンの場合、
標準車ではシャークフィンタイプとなるアンテナが、
ロッド式のいわゆるユーロアンテナとなっているのが違いと言えば違いますね。
またS180系、S200系では、
トランクリッドの「RoyalSaloon」のエンブレムが無いんですが、
県警単位、あるいは所属隊でエンブレムを貼っているのもあるため、
決定的な識別ポイントにはならないんですね。
最大の識別ポイントは「走り方」かも。
とにかくキッチリとメリハリある走り方をしているのが特徴的なんです。
あなたなら、
絶対にあんなメリハリのきいた走り方はしませんよ。
車線変更時など、
キッチリとウィンカーを3回点滅させた後にスッと車線を移してグイと加速をしていきます。
見ていれば、
「なんか違うだよな~」とあなたも感じ取ることができますよ。
あとはナンバープレートですね。
地元ナンバーであるか否かは大きな識別点となるんです。
神奈川県内を走っているのに「品川ナンバー」だったり「土浦ナンバー」だったりしたら、
いくら「それっぽい」クラウンでも違うみたいですよ。
それにしても、
警察はなぜ「ネズミ捕り」に必死なんでしょうね?
実は総務省と警察庁では、
年度ごとに「交通反則者納金」を決めているんです。
つまり、全国の交通取り締まりによって得られる反則金の予定額なんです。
しかも例年、予定額は750億円前後という莫大な金額になっており、
実際の取り締まりに基づく反則金による歳入もほぼ同額となっているんです。
また、各自治体への交通安全対策特別交付金は、
交通事故や違反の摘発件数が増えれば増額され、摘発件数が減れば減額される。
つまり、これが警察の“ノルマ”になっているのではないかとの指摘もあるんですが、
事実上のノルマはあるみたいですよ。
ノルマを設定しないと、誰も取り締まりをしないと懸念されるからなんです。
ただ、警察はノルマではなく“努力目標”と言っていますが・・・。
また、ノルマに届いていない現場の警察官は、
上司から『あと1~2件取ってくるまで帰ってくるな』などと言われるみたいで、
そうなると、
警察官は素直に言うことを聞いてくれそうな主婦やバイクに乗った若者を取り締まるんです。
悪質な違反者を取り締まってほしいところですが、
悪質な違反者はごねたりして面倒なので、主婦や若者を取り締まって件数を稼ぐということもあるようですよ。
そうすれば、
簡単にノルマ達成できますからね。
企業のセールスマンもノルマを設定されれば、なんとか件数を稼ごうとしますよね。
警察官も同じみたいですよ。
あなたも「違反をしなければ関係のない話」というのが大前提ではあるんですが、
交通取り締まりの方法や、
ノルマ達成が目的になりがちな構造自体を根本的に見直さない限り、
取り締まられた側の順法意識は高まらず、かえって警察への不満が高まるだけかも・・・。