駐韓日本大使の帰任は有事の際「日本人の保護」をするためなの?
慰安婦像の問題とか「結果」が出ていないのに帰任させたことは、日本の外交の敗北だろう。
と大多数の人が思っているではないでしょうか?
長嶺安政駐韓大使が4月4日帰任しましたが、
つい数日前まで安倍首相は、
「半年でも、一年でも構わない。少女像撤去まで行かせない」と公言していたんです。
安倍首相は自分の公言を自ら破ったことになっているんですが、
実は「韓国なんか無視して、北朝鮮空爆に対応する」ためみたいですよ。
というのは、
今日も北朝鮮は1発の弾道ミサイルを発射しましたが、
現在、第1次核危機と非常によく似た状況になっているみたいで、
この第1次核危機というのは、
1993年1月にアメリカではビル・クリントン氏が大統領に就任し、2月には韓国で金泳三政権が発足し、
そして3月には米韓合同軍事演習が行われたんですが、
そんな中、
北朝鮮はNPT(核拡散防止条約)から脱退し、
「核開発」を武器にアメリカを相手に瀬戸際政策を展開した結果、
翌年10月に米朝枠組み合意が成立したんですね。
これは北朝鮮にとって大きな成功体験になったんですよ。
そして現在の状況はというと、
1月にスタートしたトランプ政権の新政策が固まる前に、
北朝鮮は「核ミサイル」をちらつかせて米朝交渉を迫る、という瀬戸際政策を始めているんですね。
アメリカは対北朝鮮政策が整っていない段階で、
何らかの決断をせざるをえないところに追い込まれており、
北朝鮮に対して場合によっては軍事行動を起こすこともありえますしね。
そんな状況の中、
安倍首相自身の体面(「少女像撤去まで復帰しない」公言)と、
日本政府の自尊心に傷が行くことまで甘受するしかないほど「朝鮮半島有事」の際、
これ以上は遅らせることができないという事情があるみたいなんです。
朝鮮半島有事の際、
もし日本人の被害(避難の支障状況など)が発生すると仮定した場合、
日本大使(自国民保護の任務)が韓国の地にいる状態で、
そうなった場合と、
日本大使がいない状態でそうなった場合の間には、大きな差があるんですね。
もし日本大使がいない状態で、
朝鮮半島の有事事態が勃発して日本人の被害が生じた場合、
安倍首相は「日本大使を召還させて、朝鮮半島内の日本の民間人が全く保護が受けられなかった」と、
激しい非難を受けるだろうし、
もしそうなれば、
自民党は東日本大震災時の民主党の無政策の二の舞を演じる可能性もあるんです。
政権交代まではなくとも、大きな危機に陥る可能性は十分にあるんですね。
だから、
安倍首相は最終的にさまざまな情報(米首脳部公言+ある種の情報?)をもとに、
「緊迫して」大使の復帰を決定せざるをえなかったみたいなんです。
慰安婦問題を巡る日韓合意の履行を迫ることは確かに大事ですが、
それ以上に大使の最大の仕事は日韓関係でなく、
「日本人の安全対策」なんです。
韓国にいる「日本人を守る」ことが大事なんです。
(大使がいてもいなくても慰安婦問題は解決しませんでしたよね)
それにしても、
菅官房長官のコメントにあった「邦人保護に全力」が新聞などのマスコミではカットされているんですが、
ひどい話ですね。
早く日本人を全面でなくても数を韓国国内から減らすべきですね。
もし、
日韓関係に配慮しなければならないのなら、
いまの日韓関係ならなんの遠慮もいらないのだからもっけの幸いかも。