美ビルド・ネットの熊本はてな?

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理由なく「懐中電灯」持ってると逮捕されるって本当なの?

そもそもいつ地震が起きるかもしれない日本において、
懐中電灯を携行することに「正当な理由」が要るのがオカシイ話かも。

この理由が認められないんだとしたら今の世の中、
大勢が軽犯罪法違反してると思いますよ。

 

ちょうど3.11のニュースがたくさん流れている時期に、
改めて防災意識が高まり、帰宅困難時用に小さな懐中電灯持つ人が増えると思います。
最近のLED電球は性能良いから犯罪に使えるレベルなのでアウトなのか?

 

というのは、
2月28日4時2分に福岡県大野城市内の路上で、
土木作業員の41歳の男(いずれも自称)が正当な理由なく「懐中電灯」を携帯していたことで、
軽犯罪法違反容疑で現行犯逮捕されたんですね。

 

容疑の内容については、
「同日3時28分ごろ、正当な理由なく他人の邸宅又は建物に侵入するのに
使用されるような器具である懐中電灯を隠して携帯していたものである」

だそうで、
本人の認否などはあきらかになっていないようです。

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おそらく相当挙動不審な人物だったのでしょうね。
警察官としてもいくら軽犯罪法違反に該当するといっても逮捕に踏み切るというのは極めて異例ですからね。

 

職務質問は普通の人が普通に街中を歩いていて、急に職務質問される事自体少ないでしょうし、
職務質問される理由があったんでしょうね。

職務質問され、持ち物検査に素直に従わない、
若しくは悪ふざけのつもりで非協力的な態度だったのかも。

 

警察官の職務に「犯罪を未然に防ぐ」使命があります。
また、
国民はその犯罪を未然に防ぐ為に協力する義務もあると思いますよ。

 

また軽犯罪法第4条に、
「この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、
その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない」
別件逮捕や微罪逮捕を禁じる旨が明記されていますしね。

 

ちなみに、
軽犯罪法違反というのは刑法犯などと違って、
「2万円以下の罰金、拘留または科料」にあたる軽微犯罪ですから、

刑事訴訟法第217条に、
「犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合に限り」
現行犯逮捕ができると規定されています。

 

このどちらかに該当したのではないでしょうか。

 

内閣府の防災情報のページに普段携帯しておくものとして懐中電灯がありますから、
これだけで逮捕したとは考えにくいですね。

ちなみに以前警察のあるWEBサイトには、
ビクトリノックスなどのアーミーナイフを防災で携帯する事を紹介していましたが、
これを軽犯罪法で検挙する事例が頻発して矛盾を指摘されたがためか記述が削除されたようです。

 

そういえば、
懐中電灯に限らずこういうケースもあるようですよ。

 

職務質問された時に裸の工具がカバンに入ってたが作業依頼書もカバンに入ってたから助かった。

 

・大工さんがワゴン車にノミやノコギリを多数(工具箱に入れて)持っていたという理由で、
 警察ともめた事があると。
 仕事道具だと言っても何でこんなに何種類も持ってるんだと捕まえる気満々だったようです。

 

・近隣地域で空き巣あって警察が見回り中に遭遇し、
 たまたまホームセンターの駐車場にいたので車内を捜索され工具箱とLED懐中電灯を指摘され、
 パトカーに連れていかれ、
 車用の工具箱と大きさ違うLED懐中電灯3種類で、空き巣の疑いで任意同行を求められた。

 警察官の話によると、
 自家用車に工具と懐中電灯を常備すること自体が違法になるとのことです。

 

・釣りで魚をさばくため車に入れて、そのまま忘れていたナイフを警察に見つかり、
 銃刀法違反で罰金を払った。

 

・夜に家族を迎えに行って駐車中に職務質問されて、
 トランクに草野球の道具でバットを積みっぱなしにしてたら逮捕されそうになった。
 逮捕されたく無かったら車の中を詳しく調べさせろって言われたそうです。

 

・真昼間に車の修理のためにバックにドライバーを入れてた時に職務質問を受けて、
 警察に1時間以上も執拗に質問されたそうで、

 この警察官の言い方が「このドライバーは何だ!!!」って、
 すでに犯罪者扱いの言い方をしてきて超ムカついたそうです。

 

まだたくさんのケースがあると思いますが、

   

あなたもクルマに乗っていたら、
ドライバー、スパナ、ペンチ、ライト、ガラス叩き、発煙筒、軍手、チェーン、ジャッキ、携帯電話等々、
積んでいると思いますよ。

 

また畑で野菜を切るためにナイフやハサミなどクルマに入れている人が、
畑が離れているため忘れると面倒でちょくちょく使うため入れっぱなしにして、
そのまま買い物に行く場合もあるケースもあると思いますが、

 

これって全員逮捕出来るってことなの?

 

軽犯罪法1条3号には確かに、
「正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに
使用されるような器具を隠して携帯していた者」とあり、
これに該当した場合「拘留又は科料に処する」と規定されているんですね。

過去には「ペンライト」の携帯を軽犯罪法違反として、
有罪認定した裁判例が1986年1月13日の東京地裁判決に存在するんです。

 

そのため懐中電灯も、

客観的な携帯の態様(隠していると言えるかどうか)、

犯人の逮捕前の挙動(他人の邸宅等へ侵入する素振りがあったかどうか)、

携行する正当理由があったかどうか(業務上の必要性など)

を総合考慮し、
軽犯罪法上の侵入具と認定される可能性は十分にあると言われているんです。
 

同条項で具体的に定めがある「器具」は「合かぎ」「のみ」「ガラス切り」で、
あとは、
「その他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具」とされていて、

懐中電灯以外にもこれに該当しそうな物として、
ネット上ではドライバーセットや金属バット、護身用ナイフなどがあげられているんです。

 

(ゴルフ場に向かう時にゴルフクラブを持っていたら問題ないが、
 深夜街中をゴルフクラブを持って徘徊してたらアウトか?)

 

判例でこれらの『器具』として認定されたものは、
ハンマー、タイヤレンチ、金槌、ニッパー、スパナ、ボルトカッターなど様々で、

サイズ・形状次第ではありますが、
『ドライバーセット』『金属バット』『護身用ナイフ』についても、
正当な理由なく携帯していると同法に該当する可能性はあるとのことです。

 

同条項では「器具」のサイズの基準は定めがないが、
『隠して携帯』とあることから、
隠して携帯することが困難な大きな器具は除外されるみたいですよ。

 

レスキューハンマーは車内に置くこと前提なのにガラスを破れるからダメってことになるみたいだけど、
何でも線引きすりゃいいってもんじゃないように思いますよ。

 

では逆に、
「正当な理由のある懐中電灯の携帯」としてはどんな状況が考えられるんでしょうね。

 

たとえば、
夜間、土木工事に従事する者が対向車に自己を知らせる手段として懐中電灯を現場で携帯していること
などは誰が見ても正当な理由ですね。

 

また、
遠出をして散歩しようと、鳥目で夜間に視野が著しく迫る身体的特徴を持っている人が、
帰宅が夜間になる場合に備え、

いつでも取り出せるよう懐に懐中電灯を持っている場合も、
正当な理由と言えるでしょうね。

 

それじゃ田舎など街頭がないところは懐中電灯はだいたい持ち歩いていますよね。
防災のために従業員全員にライトを配布している会社とかどうなるんでしょね。

また、
ポケモン集めに、夜の公園を歩き回る為に持ってます ってのは、正当な理由になるのかな?

 

いずれにしろ、

空き巣などで犯罪者がどんな理由で逮捕されても構わないが、

 

善良な市民が懐中電灯所持で誤認逮捕されないよう、

警察には慎重な捜査をお願いしたいですね。