自転車泥棒をGoogleマップとFacebookで“犯人”追跡できるの?
警察だけで対処し切れないのが現実ならば、
要件や方法等を細かく定め、正当防衛の一形態として自力救済を法律で認めれば良いと思うが・・・。
というのは、
2015年3月に東京・池袋である男性が直径2センチほどある頑丈なワイヤーロックで施錠していた、
ロードバイクを自転車泥棒に盗まれて池袋の交番に被害届を提出したんですが、
「意地でも探す!」と奮起して、(その彼女のほうが)
池袋じゅうの駐輪場をくまなく見て回ったり、
「犯人が『ヤフオク!』に自転車を出品するかもしれない」と考えて、
ヤフオクの「オークションアラート」で盗まれた自転車と同じブランドの商品が出品されるたび、
メールが届くよう設定したり、
また「犯人が乗り捨てて放置し、撤去されたかもしれない」とも考え、
地域の放置自転車コールセンターに朝、昼、晩と、1カ月間ほどほぼ毎日。
合計100回ほど電話もかけまくったそうです。
そして11月にヤフオクアラートで、盗まれた自転車と似たものが届いたんです。
池袋署を訪れて担当者に出品画面を見せて相談し、
「落札して自転車が届き、それが盗まれたものなら出品者を捜査できる」と言われ、
落札を決めたそうです。
オークション落札直後、出品者から住所・氏名が届き、
住所をGoogleマップで検索し(一軒家だったみたいです)、
氏名をFacebookで検索すると本人らしき男を発見したんです。
ロードバイクに関する投稿もあったみたいで、
数日後、
落札した自転車が届いたら間違いなく盗まれたものだったんですね。
パーツは替えられ、盗まれた当時よりグレードアップしていたが、
傷の位置やカーボンの模様もまったく同じだったんですが、
自転車本体に刻まれている「車体番号」が別のものに張り替えられていたらしく、
自転車盗難に関する口コミサイト「自転車特捜24時」で車体番号を検索してみたところ、
その番号の付いていた自転車も池袋で盗まれたものだと発覚したんですね。
そして「彼が犯人に間違いないと思います」と、
落札した自転車と出品者の情報、Facebookの情報などをまとめて池袋署に届け、
受け取った担当者は「調べます」と言ったものの、
何カ月も音沙汰はなく、預けた自転車も返ってこなかったんです。
しびれを切らして警視庁のWebサイトのフォームからも出品者の男の情報を提供したところ、
署の担当者から電話があり、「そういうことは困る」と怒られたそうですよ。
警察から連絡がないまま3カ月ほど経ったころ、
ネット検索を駆使して出品者の男やその妻の勤務先を調べ上げ、電話をかけたこともあったそうで、
警察が動いてくれないから自分で何とかする・・・そんな考えだったが、
警察から「危険なので接見はしないように」と釘を刺され、動くことをやめたんですね。
そして2016年10月15日。
男が窃盗の疑いで逮捕されたことをテレビのニュースで知ったんです。
ヤフオクの取引ナビで見たあの男の名前がテレビのテロップに表示され、
「やっとつかまった!」。
自転車が盗まれてから1年8カ月。オークションで落札してから1年経っていたんです。
逮捕された男は調べに対し、
「盗んだロードバイクで走ると気持ちよかった」などと供述していたそうで、
男は窃盗罪に問われ、
東京地裁から17年1月、懲役2年6月・執行猶予4年の有罪判決を言い渡されたそうですよ。
ここまで読んであなたはスカッとする美談みたいな記事かと思ったのでは。
でも警察の怠慢に腹立たしさを感じた人もいるかも。
また警察ってホント動かないな。
これじゃあ職務怠慢って言われても文句言えないよね。
なんて思ったりもしたかもしれませんが、
警察では、
現行犯ならともかく、持ってるや売っただけでは証拠能力が低くて、
その人間が「盗んだ」ことの立証ができないとダメみたいで、
状況証拠では推定無罪に負けるとのことで、
絶対国内でやり取りされるならいいけど、
海外が絡むケースも多くて、結局は何もできなくなって終わることも多いから、
手を付けにくい事情もあるみたいなんですね。
強盗で人が怪我したりしての人命が危険に晒されでもしない限り、
警察は動かない事になっているみたいですよ。
盗難事件に関しても、
わざわざそれだけでは捜査しないという事になっているみたいで、
人の捜索願いに関しても子供や老人、事件性のあるもの以外は捜さないそうです。
今の警察官の100倍の人員が必要になりますからね。
でも、
警察へ市民からこれこれの自転車が放置されていますよという通報があり、
その自転車に盗難登録の届けがしてあれば一応調べてくれるそうですよ。
ですから、
残念ながら警察は何もしてくれません。
盗難届けを受理するだけみたいですよ。
今回の自転車泥棒逮捕はちょっと引くぐらいの執念ですけど、
この捜査能力は警察官になったらかなり優秀なのでは?
いずれにしても、
自分の愛車を自転車泥棒に合わないためには、
防犯登録、自転車盗難保険、自転車盗難情報サイト(http://www.cycle-search.info/csi/)
鍵は2種類で違うタイプを2つ以上、
そして地球ロック(地面に固定されているものに自転車をくくりつけて鍵をかけること)
は最低限必要なのかもしれませんね。
法律や駐輪施設などが強化されて自転車盗難が減れば良いですが、
そんなことを待ってはいられませんから、
自分でできることはしっかりしておきたいですね。