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「オプジーボ」価格が下がっても副作用はなくならない?

安倍晋三政権は2016年度から3年間で社会保障費の伸びを
1.5兆円程度に抑える「目安」を設定したみたいで、

 

来年度は6400億円の自然増が見込まれ、
社会保障費の医療保険介護保険生活保護費などの中から1400億円の圧縮が必要になるらしく、
その中で、
先日決まったオプジーボ価格を50%引き下げすることによって最大200億円削減できるみたいですね。

 

このオプジーボは、一部の皮膚がん向けだったため患者数が少なく、
採算がとれるよう1人あたり1年で約3500万円と高めに価格が設定されていたんですね。

 

その後、
適応されるがんの範囲が広がり、
一部の肺がんや腎臓がんの患者にも使用されるようになり、

対象となる患者数は約470人から約1万5000人と30倍以上に膨らんだため、
国の財政が持たないと指摘されていたんです。

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オプジーボは100mg瓶で約73万円、20mg瓶が約15万円、体重60kgの人なら1回180mgなので、約133万円。
2週間に1回の投与で1年間使い続けると年間3500万円弱。

 

しかし、
あなたもご存じのように健康保険には患者の負担額を一定以下に抑える、
「高額療養費制度」があるので、
患者が支払う医療費は最大でも年200万円程度、ほとんどの人は100万円かかりませんよね。

 

つまり、
約3300万円もの額が保険事業者の負担になりますから、
オプジーボを多くの患者が使用すると、
ただでさえ高齢化で膨張している医療費が破滅的なスピードで膨らむことになりますね。

 

オプジーボのようなバイオ医薬は開発費も製造コストもべらぼうに高くなるから、
薬価が高くなるのはある程度仕方がないし、
特許が切れても簡単にジェネリック医薬品が出て大幅に安くなったりしないでしょう。

 

でも健康保険制度の維持を考えると。
来年2月から患者1人当たり年間3500万円が50%安くなってもあまりにも高いと思いますよ。

 

こんなに高くては健康保険制度が崩壊して、
飛び抜けた金持ちしか最高水準の医療を受けることが出来なくなり、
貧乏人は治療法があっても死ぬことになりますよね。

 

しかし、
一方であまりにも薬価を下げると新薬の開発意欲が削がれて医療の進歩が止まるし、

今でも不治の病に罹って、
新薬開発を期待している人たちの望みが断ち切られることになりかねないですから、

 

最大多数の最大幸福を実現する為の、
オプジーボのような薬価水準決定は極めて難しいのかも。

 

また製造販売している小野薬品にしてみたら、
トップ売上の製品が突然半額になる訳ですから、
株価にも影響するだろうし、御愁傷様としか言いようがないみたいですが・・・。

 

このオプジーボは小野薬品と米ブリストル・マイヤーズ スクイブBMS)が開発し、
2014年7月、
日本で皮膚がんの一種である「悪性黒色腫(メラノーマ)」の治療薬として承認されたんです。

 

オプジーボの特徴は、
「がん免疫療法」と呼ばれる治療法で使われる点にあるみたいで、

 

免疫とは、
体の外から病原菌やウイルスが入ったり、がん細胞ができたりした場合に、
それらを排除するための体がもともと持っているさまざまな働きのことで、

 

免疫療法は、
従来の化学療法などのように直接がん細胞を攻撃するだけではなく、
患者が持っているがんを攻撃する機能(免疫機能)を高めるもので、
オプジーボはそれに役立つ薬というわけなんですよ。

 

抗がん剤による治療効果の目安として、
腫瘍が半分以上に縮小する奏効率がありますが、

これまでの唯一の抗がん剤だったダカルバジンによるメラノーマの奏効率は10%。
10人に1人ということでしたが、

それがオプジーボの奏功率は25~33%。
3~4人に1人の効果があるみたいですよ。

 

昨年末に肺がんの一部にも適用が広がり、
今後、腎臓がんなど他のがんへも適用拡大される見込みみたいです。

なんでも末期の歯肉上皮がんの患者に使用したところ3ヵ月で完治したらしく、
こんなに早く治ったと驚く人がいたらしいです。

 

投与方法は、
オプジーボを静脈から1時間以上かけて点滴注射 で投与し、

投与量は、
患者さんの体重によって決まるみたいです。

治療スケジュールは、
オプジーボは投与した次の日から13日間か20日間は休薬し、
投与日と休薬期間をあわせた14日間か21日間を 1コースとして、繰り返し投与するそうです。
 

   

患者にしたらワラにもすがる想いと思うんですが、
小野薬品工業によると、
14年の承認以降、オプジーボを投与された推定患者数は今年4月末時点で5976人、

でも、
2865人になんらかの副作用があり、そのうち763人が重篤例と報告していますし、

 

厚生労働省によると、
自由診療でオプジーボを使用したケースで15年9月までに、

オプジーボ使用後に6人が重症筋無力症や筋炎を発症し、
うち80代の女性が死亡したと発表しているんです。

 

オプジーボによる治療中、特に注意が必要な副作用は、

・間質性肺疾患(空咳、息切れ、呼吸困難、発熱などの 症状が現れます )

・重症筋無力症、筋炎(筋力低下、まぶたが重い、呼吸困難、 筋肉痛などの症状が現れます )

・大腸炎、重度の下痢(下痢、腹痛などの症状が現れます )

1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)(のどの渇き、水を多く飲む、吐き気や 嘔吐があるなどの症状が現れます )

・肝機能障害、肝炎(皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、 疲れやすいなどの症状が現れます )

甲状腺機能障害(疲れやすいなどの症状が現れます )、

・神経障害(運動や感覚の麻痺、手足のしびれや 痛みなどの症状が現れます )

・腎障害(むくみや発熱、血尿、尿の量が減る、 尿が出ないなどの症状が現れます )

・副腎障害(からだがだるい、意識がうすれる、 吐き気や嘔吐などの症状が現れます )

・脳炎(発熱、失神、嘔吐、精神状態変化など の症状が現れます)
 
・重度の皮膚障害(まぶたや眼の充血、粘膜のただれ、 ひどい口内炎
         全身に赤い斑点や水 ぶくれが出るなどの症状が現れます )

静脈血栓塞栓症(腫れ、むくみ、皮膚や唇、手足の爪が 青紫色~暗褐色になるなどの症状が 現れます)

 

また薬剤の注入に伴う反応では、
点滴時に出てくる発熱、悪寒、そう痒、発疹、高血圧、低血圧、呼吸困難、過敏症など。

その他の副作用としては、
皮膚障害、ブドウ膜炎などが現れることもあるそうです。

 

オプジーボによる副作用が起こる原因は、
リンパ球による免疫反応を停止させるブレーキ分子・PD-1にオプジーボが結合してブレーキを外してしまうため、
それまで体内に隠れていた「自分の体の細胞に攻撃をしかけるリンパ球」の暴走を許してしまうんです。

そのため、出てくる症状は、
自己免疫疾患が悪化したときに出てくる症状とほとんど同じになるみたいですよ。

 

もし、
患者が自己免疫疾患の素因を持っている場合、
(いつのまにか体内で「自分の体の細胞に攻撃をしかけるリンパ球」が活性化してしまっている場合)、
オプジーボ投与後に、その症状が強くなって表面化するみたいなんですね。

 

ですから承認されたオプジーボが使える医療機関には、
皮膚がんの指導専門医がいることや、
間質性肺炎などの副作用に対応できる診療科との連携がとれることなどの条件が付けられているんですね、

 

オプジーボによる副作用の対策として日本肺癌学会は、
「投与直後から長期間にわたって注意深いモニタリングが必要」との対応を促し、

また、
オプジーボの副作用と対策を十分理解している医師が治療にあたり、
「アレルギーあるいは膠原病内科、消化内科、代謝・内分泌内科、神経内科など専門医との協働が可能な施設、

または地域連携により、
これらの専門的支援が直ちに受けられるような施設において(使用が)行われることが必要と考えられる」
としているんですね。

 

そしてオプジーボは、
「すべての患者さん有効な夢の新薬ではない」と強調し、

重篤な副作用が起きうることや、
リウマチなど自己免疫疾患患者などオプジーボを使えない患者がいることに理解を求めているみたいですよ。

 

ほかの抗がん剤と比較すれば、
その副作用は少ないかもしれませんが、
重症筋無力症や1型糖尿病など予期していなかった副作用も報告されていますから、

 

オプジーボを使用されるケースが増えていけば、

今後も予測不能な副作用も出現するかもしれませんよ。