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「発達障害」理解が進んでも世間はなにも変わっていない?

案外面白かった北川景子のドラマ「家売るオンナ」が終わりましたね。

 

主人公は、かなりの変わり者。
愛想がなく、ほとんど表情も変わらず、空気を読まず、ビシビシと後輩を鍛えるんです。
そして、家を売るためには、何でもします。(GO!という掛け声で)

 

自分が変わり者として周囲から距離を置かれる理由が、わからないのです。
昔なら「変わり者」ですが、
今なら「発達障害」という診断がつくかもしれませんね。

 

また最近話題になった俳優の高畑裕太(22才)が強姦致傷罪で逮捕された事件です。
聞こえてくるのは、
“子供を甘やかしすぎた”という母・高畑淳子(61才)の子育てを問題視する声なんですね。

“強すぎる母性愛”
発達障害と言われたことも、高畑淳子の脳裏から消えたことはなかったそうですよ。

 

こんな風に最近「発達障害」という言葉はメディアでもよく取り上げられるようになり、
一般に知られるようになったんですが、

 

一口に「発達障害」といっても、
全てに共通する脳の障害があるわけではなく、障害の種類は多く存在し、その状態は様々なんですね。

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その「発達障害」には大きく分けて3つの種類があり、

 

自閉症アスペルガー症候群といった、コミュニケーション能力や対人関係、
 社会性に関連する発達障害である「広汎性発達障害」。

 

②集中できない、じっとしていられない、衝動的な行動をしてしまうといった、
 注意力が低い発達障害である「注意欠陥多動性障害ADHD)」。

 

③一般的な知的発達に遅れはないのに、聞く、話す、読む、書く、計算する、
 といった特定の能力を学んだり、行ったりすることが困難な状態である「学習障害(LD)」。

 

最近では、
こんな「周囲との少しの違い=発達障害ではないか」という不安を抱く母親も増えているそうです。

以前はできない部分ではなく、できる部分を評価するようにしているのが多かったのですが、

 

今は
“普通でなければおかしい”という社会の圧力が強すぎて、

子育てママたちからそうした余裕を奪って、
少しでも落ち着きがないと、「あの子変じゃない?」という空気になってしまうんですね。

 

当の本人とお母さんはそこまで気にしていなかったのに、
周りの空気を感じて深刻になり、子供を縛り付けてしまい、

そうした思いが、
“過保護”や“行きすぎた愛情”につながってしまうこともあるみたいですよ。

 

わが子を心配するあまりの行為ですが、
それが子供の判断能力を奪ったり、
成長を止めてしまうなどの悪影響を及ぼしてしまうことにもなりかねないんです。

 

発達障害についての正しい知識を得るよりも前に言葉がひとり歩きしてしまって、
素人の勝手な思い込みで、
「あの子は発達障害かも」と安易に口に出してしまう社会に・・・。

 

それを受けて「うちの子はもしかしたら・・・」と、
過剰に反応してしまう母親になんてならないでくださいね。

   

また最近では、
発達障害の②に挙げた「ADHD」が大人に診断される人が増えているそうで、

ADHDの主な症状は、
「不注意」「多動性」「衝動性」の3つ。

 

「不注意」は集中力が持続しない。

「多動性」は落ち着きがない。

「衝動性」は待つことができない。

 

その結果、物事をうまく進めることができず、失敗続きになり、
周囲からは「だらしない」「いいかげんだ」と非難され、
自信をなくし、生きづらさを感じてしまうのが特徴なんですね。

 

これまでは本人の努力不足だと考えられてきたことが、
ADHDが原因の場合もあると認知されるようになってきたみたいですよ。

 

ADHDと認定された患者数は、
平成23年には大人と子どもを合わせて1万7,000人だったのに対して、
26年には4万8,000人に増加しています。

理由としてはADHDの特徴が世間に認知されていったことで、
診察に訪れる人が増えたことが大きいと厚労省障害福祉課は言っているんですね。

 

忘れ物や遅刻が多く、掃除や片付けが苦手、落ち着きがなく、
相手の話を最後まで聞けないなどと悩んでいる人は、
ADHDが原因かもしれないですよ。

 

そこで、「大人のADHDチェックリスト」を紹介。ぜひ、確認を!

 

・つまらない、興味がないことをする際に、気が散りやすい(興味があることには過度に集中することがある)

・つまらない、興味がないことをする際に、ケアレスミスが多い
 
・物を置き忘れたり、物をどこに置いたかわからなくなって捜すのに苦労する
 
・身の回りを整理できない
 
・じっくりと考える必要がある課題を避けたり、先延ばししてしまう
 
・計画的な行動ができない
 
・長時間座っている必要があるときに、そわそわして落ち着かない
 
・いつも頭の中が考えであふれていて、落ち着かない
 
・まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になって、何かせずにはいられない
 
・頭に浮かんだことを、タイミングや状況を考えずに口にしてしまう
 
・相手が話し終わる前に、さえぎって話してしまう
 
・衝動買い、ドタキャン、転職など衝動的に行動してしまう。気分の浮き沈みが激しい
 
・気が短く、ストレスやフラストレーションに耐えられない

 

【診断結果】

8以上・ADHDが疑われます。発達障害を診ることのできる病院の受診を勧めます。

4~7・ADHD傾向があります。仕事、生活、対人関係の問題が続くようなら、病院やカウンセリングを利用しましょう。

3以下・ADHDの可能性は低いです。

 

そんな発達障害知的障害のある方向けに作られた保険もあるんですね。

少額短期保険といって、
保障内容が手ごろで保険期間が1年間の保険で、精神疾患の病歴があっても入れるものもあるんです。

 

発達障害知的障害のある方向けに作られた保険もあり、
自分の保障だけではなく、
他人のものを壊したりケガをさせたりした場合の保障が付いているものもあるんですね。

個人賠償責任保険と言いますが、
ADHDなど、衝動性や多動性をコントロールしにくい病気の場合は付けておきたい保険ですね。

 

ある人は精神科通って糖尿病になった後がん保険に入って
腎臓がんになり手術して契約通りに保険おりたそうで、

あなたの周りに発達障害かもと思われる人がいるならば、
保険屋さんに言えばなんか探してくるかもですよ。

 

最後に、
『ぼくが発達障害だからできたこと』の著者である作家・市川拓司さんを紹介すると、

 

自分のパーソナリティが“障害”といわれるレベルに傾いていることを知ったのは、
いまから10年ほど前のことだそうで、
そのときの感想は「なあんだ」だったそうですよ。

 

ずっと「困った子ども」で「間違っている生徒」で、
作家になる以前に勤めていた会社でも問題行動ばかり起こし、
同僚から「勘弁してよ」といわれるのが常だったんですね。

その根っこに障害があるとわかったとき、
市川さんは「いっそすがすがしい」と感じたそうですよ。

 

市川さんが自身を冷静に観察し、奇妙な行動の理由を探り、
小説を書くようにその意味を想像(もしくは創造)して書き下ろした1冊は、
“障害カミングアウト本”特有の重さがなく、全篇通して穏やかで、あたたかいんですね。

 

「当時はまだ発達障害が知られていなかったし、
自分にも親にも障害という意識がなかったから一般学級に通っていましたが、
いまだったら特殊学級に振り分けられていたでしょうね。

そしたら、運命が変わっていたかもしれません。
知らなかったからこそ、しれっと、するっと大人になれた。

 

当時は大らかな時代で、僕みたいな子どもに『バカ』というあだ名をつけても許される雰囲気がありました。
差別はもちろんあってはならないことですが、
差別に対して過剰反応するのも何か違う気がします。

差別が排斥になり、社会そのものがやせ細っていく。
いまのように腫れ物に触るような感じで扱われるほうが傷つく子どももいるでしょう」と。

 

続けて、
 「僕らの親の世代ぐらいまでは職人的な仕事が多く、
特殊な技能や図抜けた集中力を活かせる職業が少なからず用意されていました。

でも現代は、多くの人がサラリーマンになります。
僕もサラリーマンとして事務の仕事をしていた経験があるので、そのつらさはよくわかります。

発達障害の人たちが『自分はここに向いていない』と思っても、
選択肢がものすごく限られていますよね。

 

ただ、
現代だからこその、発達障害を活かせる職業というのもあって、それはIT系です。

対人関係があまり必要ないし、集中力を発揮できるし、好奇心が満たされるから、
IT系の仕事はある種の発達障害の子たちに向いていると思います。

 

ある場所ではただの変人だけど、
適した場所にいけばスーパーマンになれる。

 

でも均質化を重んじるいまの日本社会では、
それがなかなかむずかしい。
社会以前に、親がそれを許さないケースも多いでしょう」と。

 

いずれにしろ、

発達障害」は理解が進んでも世間はなにも変わっていないのが現状かもしれませんが、

今すぐできなくていい」という長い目で見る感覚が、

発達障害の子どもにも、その親にも大事かもしれませんね。