ハイブリッド車やEVは事故時本当に感電するの?
「事故を起こしているハイブリッド車や電気自動車は、漏電の可能性があり非常に危険。
専門知識を持つレスキューが来るまで絶対触らないこと」
なんていう風説がネットのなかでも飛び交っていますよね。
確かにプリウスなどハイブリッド車に搭載されている走行用バッテリーは直流200V以上ですね。
こういうと、
家庭用200Vに毛が生えたくらいでしょと思うんでしょうが、
家庭用は交流なんですね。
直流200Vになれば感電すると死に至るんですよ。
事故を起こしてフロント部分が潰れているプリウスに近づこうとしたら、
誰かが、
「ハイブリッド車は感電するから触らないように!」
と言ったら、
あなたも躊躇すると思いますよ。
緊急性の無い事故なら放置しておけばいいでしょうが、
乗員が事故車に残って出血していたり、
他のクルマに火災が移りそうになっていたらどうなのか。
「躊躇=死亡」
に結びついしまうかも。
どうしてそんな風説が流れ飛んでいるのか調べてみたら、
自動車事故対策機構が茨城県の消防署と組んで、
ハイブリット車の救難訓練を行い、
その動画をユーチューブで流していたんですね。
動画を観てみると、
まず漏電をチェックする専用の検査機を用意して、
「バッテリーから完全に電気が無くなってから救出活動を開始する」
となっているんですよ。
ガソリン車でいえば、
漏れていなくてもガソリンを全部抜いてから救助に入るということなんですね。
確かに自動車メーカーが出しているマニュアルには、
そういった注意事項があるんですが、
ただよく読めば車体を切断するようなレスキューを想定したものなんですね。
ハイブリッド車の発売は1997年ですからその後18年間に、
世界で800万台を超えるハイブリッド車が走り回っています。
そして多数の事故に遭っているものの、
漏電したというニュースなどあなたは聞いたことありますか?
東日本大震災でも多数のプリウスが津波に流され、
激しく変形しましたけど漏電の報告はないんですね。
これはなぜかというと、
初代プリウスの開発時に事故の時でも漏電しないように、
トヨタと国交省が厳しい安全基準を定めたからなんですよ。
大きな電流が流れた途端、
高い信頼性を持つブレーカーがバッテリーを完全に遮断する仕組みになっていて、
バッテリーも強固なケースで守られている上、
本体にクギを刺しても漏電しないような構造になっているんです。
人命重視の意味でも自動車メーカーや国交省や消防関係者などが、
ハイブリッド車や電気自動車の扱いについてハッキリとした指針を出すべきかも。
今のままでは、
事故現場で助けてもらえないケースが出てきますよ。