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「クラッシュ症候群」車にも「車両緊急通報」の標準装備が必要かも?

朝のニュースでは無事なように聞いていたんですが、
素人は言われて思い出すけど、
プロの医者が考えなかったはずはないでしょうけど残念な結果です。

 

というのは、
車ごとがけ下に転落し、警察や消防などは約100人態勢で捜索した結果、
4日に3日ぶりに救出された熊本県の女性が3月5日未明に死亡したんですね。

死亡したのは熊本県阿蘇郡小国町の会社員・藤井沙織さん(23)で、
警察によると藤井さんは3月1日に大分県九重町の勤務先を出た後行方が分からなくなっていたが、
4日に小国町の道路脇のがけ下に車ごと転落しているのが発見されたんですね。

 

救出時、藤井さんに意識はあったんですが、
5日午前2時頃、搬送先の病院で死亡しました。

死因は、
長時間圧迫されたことにより腎臓の動きが阻害される「クラッシュ症候群」だったそうです。

 

若い女の子が3日間も1人で耐えて頑張ったのに、苦しかったし辛かったと思います。
可哀想で涙が出ます。

意識があったのは、
きっと見つけてほしいという強い思いからだったかもしれませんね。

 

お悔やみ申し上げます。

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この「クラッシュ症候群」は、
一命を取り留めても、救出当初は比較的元気そうだったにもかかわらず、
突然容態が悪化し亡くなってしまう事があるんですね。

 

交通事故や地震などの災害時に、
建物の倒壊などで四肢の筋肉に長時間圧迫が加えられ、
その圧迫から解放されたあとに起こる全身障害のことで、

重傷であることが見落とされる場合もあり、
致死率は比較的高いんです。

 

阪神淡路大震災から知られるようになった「クラッシュ症候群」。
概算の記録ですが、
少なくとも372人が発症し、そのうち50人が亡くなっているんです。

 

2005年に起きたJR福知山線脱線事故でも数人が発症しましたし、
2014年の広島土砂災害でも「クラッシュ症候群」による死者が出ましたね。

 

このクラッシュ症候群は私たちでも簡単に見分け方ができるそうで、

瓦礫や重量物に2時間以上挟まれている(筋肉壊死の時間的目安)

・挫滅部位がパンパンに腫れたり、点状に出血している

・茶褐色(ワインレッド色)に変色した尿が出る(ミオグロビン尿)

・挟まれた部分の感覚がない(知覚麻痺)

・挟まれた部分が動かない(運動麻痺)

と兆候が見られたら、
直ちに、災害拠点病院血液透析ができる病院へ搬送しましょうね。

 

「クラッシュ症候群」であれば、
輸液・薬物投与・筋膜切開・血液中の有害物質の透析除去を必要とする上、
被災地外の高次医療機関への広域医療搬送を行う場合もあるそうです。

避難所や応急救護所、手近な病院へ運ぶ程度では対処できないんですよ。

   

こんな「クラッシュ症候群」を防ぐためにも、
車両緊急通報システムなどは必要になってきますね。

車両事故等の緊急時に、
緊急コールセンターを介して最寄りの警察や消防へ自動で通報するシステムなんですが、

欧州では救急隊員が事故現場に速やかに到着できるよう、
2018年までに自動緊急通報システムの装備を欧州連合(EU)全域の
一部車両に義務付ける法案を可決したんですが、

 

日本では、
日本緊急通報サービスが緊急通報システム「ヘルプネット」を2000年から提供しており、
エアバッグが展開するような事故が発生した際に、

車載機から現在位置及び走行軌跡データがオペレーションセンターに自動配信され、
「ヘルプネット」のオペレーターが通報者との会話・要請により
警察・消防等の救助機関に接続することで早期の救命・救助活動を可能としてます。

 

仕組みはカーナビ搭載のGPSで正確な位置を把握し、

⇒ 緊急事態発生時に、HELPNET向けに自動通報または手動通報を発信

⇒ HELPNETオペレーターに接続できたら、通報内容(事故、急病等)を伝える

⇒ 会員要請に基づき、HELPNETオペレーターが最寄りの消防・警察等に出動を要請
   事前登録した、会員情報・車両情報も消防・警察等に伝達し、迅速な出動を実現

 

ただ自動的には消防や警察には接続しないんですね。
HELPNETオペレーターが通報を受信すると、
通報者と会話で通報内容を確認し、通報者の要請に基づき、必要な緊急機関に出動を要請するんです。

 

HELPNET利用するには、
事前に会員情報・車両情報等を登録して登録完了後に、
必要機器が上手く作動するかどうかの試験通報が必要になるみたいで、
 
登録方法はあなたの利用している車両、カーナビ種類等により異なるので、
詳細は各自動車メーカー様のホームページ、販売店等で確認してくださいね。

それと緊急通報する費用は無料ですが、
緊急通報時の通話料は会員負担となるようです。

 

また昨年からはドクターヘリの早期出動判断を行う、
救急自動通報システム(D-Call Net)の試験運用を開始しましたね。

 

これには、
手稲渓仁会病院(北海道)、
福島県立医科大学附属病院(福島)、
日本医科大学千葉北総病院(千葉)、
君津中央病院(千葉)、
前橋赤十字病院(群馬)、
聖隷三方原病院(静岡)、
公立豊岡病院組合立豊岡病院(兵庫)、
佐賀大学医学部附属病院(佐賀)、
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター(長崎)
の全国9ヵ所のドクターヘリ基地病院が参加しています。

 

ただ2015年11月30日時点ではトヨタの8モデル、ホンダの9モデルだけなんですね。

トヨタは「ランドクルーザー」「クラウン マジェスタ」「クラウン アスリート」「クラウン ロイヤル」、
レクサス「LX」「RX」「GS」「GS F」、

ホンダ「アコード ハイブリッド」「フィット」「オデッセイ」「ヴェゼル」「レジェンド」
「グレイス」「ジェイド」「シャトル」「ステップワゴン」
とまだまだ少ないようですね。

 

また車両ではありませんが、
NTTドコモには「緊急通報位置通知」というのがあります。

携帯電話からの緊急通報(110番、118番、119番)を発信した際、
通話が接続された緊急通報受理機関に対して、発信された場所に関する情報を自動的に通知するそうで、
これは申し込みは不要で月額使用料も無料みたいです。

 

これからも私たちが暮らしているこの日本でも地震などの天災、交通事故などいつ起こるととも限りませんし、

また「クラッシュ症候群」を防ぐ意味でも、

「車両緊急通報」をクルマの全車に標準装備が必要かも。