美ビルド・ネットの熊本はてな?

「美ビルド・ネットの熊本はてな?」は我が郷土熊本県を中心にお役に立つ情報をあなたにお伝えします。

歯医者は敗者(はいしゃ)って本当なの?

あなたも街を歩けばコンビニと歯医者の看板を至るところで見ませんか?
実際、
今年1月末時点で日本全国にある歯科診療所の数は6万8799カ所だそうで(厚生労働省、医療施設動態調査)
コンビニは日本全国に5万3309店あるんですね。

 

つまり、
実際は歯科のほうがコンビニより多いんですね。

 

これは、
歯科医の供給数が増えてきた来た必然的な結果なんです。

日本全国の大学にある歯学部(偏差値60オーバー無しですが)の年次定員合計は約3000人で、
医学部定員の総計が約9000人であることからも、
単独医科としての歯学部からの卒業生は突出しているんですよ。

 

だから、
現在は全国の歯科医は11万人余りも存在するといわれているんですね。

昔は「目医者よりも歯医者、なぜなら目は2つだけ」などといわれていましたが、
見方を変えれば「口はひとつだけで人口は減っている」という社会情勢みたいですが・・・。

 

厚労省「賃金構造基本統計調査」によると、
14年の歯科医の平均年収は734万円ですが、

若年歯科医の大幅な供給により、
4分の1の歯科医は年収200万円に満たないとみられているんです。

 

国家資格取得に至るまでの高額な教育費を勘案すると、
「歯科医ワーキング・プア」とまで揶揄される事態が現出しているんですよ。

(だから歯医者は敗者(はいしゃ)って言われる?)

 

このような状況から、今後、街の歯科の数は、
「今日ひとつ開院すると、明日は別のところが閉院する」ほどになるかも。

もう昔のように“おいしい”職業ではなくなってしまったのか?

f:id:ky4490:20160229213904j:plain

ではなぜ歯医者は困窮するんでしょうね。

 

これは歯科医院は設備投資が欠かせないため、
多くの歯科医が借金をして病院を開業しているんです。
 
借金の返済のために売り上げを上げなければなりませんが、
収入に限界がある保険診療しか行わない歯科医院がほとんどで、
そのために自転車操業となって苦しんでいるんですね。

 

保険診療では国がルールを定めていて、
処置内容により保険点数というものが決められているんです。
たとえば、
単純な虫歯治療なら273点などとなっているようにですね。

 

来院する患者1人当たりの保険点数は平均500~600点で、
1点10円の計算なので売り上げ換算では5000~6000円となり、
そのうちの1~3割が患者負担ですね。
 

一日の来院数を20人と仮定した場合、
よくて合計1万2000点、売上高は12万円となり、
私なんか結構な収入かと思っていたんですが実情は違うようなんですね。

 

歯科医院は開業当初から多額の投資が必要でありローン返済に追われます。
さらに治療に使われる材料費や、
歯科衛生士・歯科助手・受付の人件費、テナント代、 光熱費、機器のメンテナンス費など、
想像以上にコストがかかる構造となっているんです。

 

この高コスト体質を、
患者1人当たりの単価が低い保険診療でカバーしていくには患者数を上げていくしかなく、
余裕のない経営を余儀なくされるんですね。
 

こういう状態ですから多数ある歯科医院の中には、
患者の満足度は関係なく高い保険点数をノルマとして、
治療より医院維持が目的化しているところもあったりするんです。
さしずめ「歯を白くしても」“ブラック歯科医院”といったところかも。

 

そして国による「過剰診療」という判定の壁もあるんです。
ある歯科医などは、
「過剰診療が怖くてひとりの患者に十分な治療をすることができない」と言う人もいます。

 

地域により違いはあるものの、
患者1人当たりの保険点数は平均500~600点であると先に述べましたが、

この水準を超えた場合、
過剰診療と見なされて厚生労働省より注意を受けてしまうんですね。
必要のない治療を行って保険点数を稼いでいる疑いがあると見なされるからなんです。

 

もちろん、なかには患者無視の悪徳歯科医もいると思いますから、
このような過剰診療という基準はあったほうがいいでしょうけど、

患者のために集中的に丁寧に治療を行おうとしても過剰診療として注意されてしまうため、
必然的に回数をかけて少しずつ治療をしていかなくてはならないんですね。

 

あなたも長い時間待たされてやっと診察台に座ったと思ったら、
あっという間に治療が終わり、
「また来週も来てください」と帰された経験があるかもしれません。

 

これがまさに、
あの短時間診療は保険点数を多く上げることと、
過剰診療を避けることの狭間で生じている苦肉の治療スタイルなんですね。
患者にとっても歯科医院にとっても不都合な現実なんですよ。

   

でもこのような現実であっても、
実は歯科医院と患者双方に良い解決方法があるんです。

 

それは「保険外診療」なんです。

 

保険外診療」は自費診療ですが、
自費診療と聞けば「お金持ちがするもの」「エステなどの贅沢と同じ」
とあなたも考えてしまいますよね。

でも「保険外診療」で患者から喜ばれ、
歯科医院の経営にもプラスになるWin-Winの関係を築くことができるんですよ。

 

保険診療では、治療に使える素材も限定的で、
「この治療は◯◯円」と公的機関によってあらかじめ値段が決められていますから、
限られた時間と予算の中でできる範囲内でしか治療を行えないですよね。

 

しかし、自費診療では詰め物・かぶせ物の素材を歯科医が選定し、
患者の症例などに合わせて最適あるいは最新の素材を提案することが可能となるんです。

 

たとえば、
歯の削り方・型をとる材料や方法・歯を作る歯科技工士・接着剤まで全てを厳選されるし、
必然的に1つの歯の精密さや精度が非常に高まってくるんです。

結果的にその歯がまた治療になってしまう可能性が低くなるので、
かぶせ物・つめ物の寿命が長くなり、
1つの歯を頻繁に治療しなくて済む可能性が非常に高くなりますね。
 

それによって身体親和性が上がって虫歯再発や歯周病のリスクを最小限に抑える効果が期待できるんです。
それに時間にも制約がなく、上記の例みたいに精度の高い治療が受けられるんですね。

 

ちなみに保険のきかない歯科治療には、

・病気のない人の検査や予防処置(フッ素塗布、虫歯菌の検査、歯のクリーニング、etc…)

歯列矯正治療

・貴金属・セラミックのクラウン(かぶせる治療)、ブリッジ(つなげる治療)

・金属を多く使用した義歯

インプラント

・美容的な治療(歯のクリーニング、ホワイトニングなど)

通常の虫歯治療などは保険診療に入りますが、
虫歯や歯周病などの口内トラブルを防ぐ「予防歯科」の分野になると、基本的に保険がききません。
また、
審美歯科で扱う美容目的の治療でも、患者が治療費を全額自己負担することになります。

そんな自費診療ですが、
場合によっては、保険診療で歯医者に通うよりも自費診療のほうが安く済むこともあるんですね。

 

しかし、
多くの歯科医がそんな「保険外診療」を知りつつも実践することができないんですね。

 

この保険外診療に踏み出せない原因は2つあるみたいで、
ひとつは歯科医の技術不足、
もうひとつが「金儲け主義と思われるのではないか」というメンタル面の問題なんですが、

多くの歯科医は、
技術を勉強する時間もお金もないため保険外診療を行えず、
その結果自転車操業になるという悪循環から抜け出せないんですね。

 

ここから抜け出すのが「歯医者は敗者(はいしゃ)」の境目かもしれませんね。

本気で患者のことを考えるなら、
「どうあっても保険外診療を行うのだ」という強い意志が生まれてくるものと思います。

自分の少ないお金と時間を工面しても、
技術向上に励み、現状から抜け出そうとしますよね。

 

その思いが強ければ、
「金儲け主義と思われるのではないか」という余計な考えもなくなりますし、

そもそも、そのような考えに陥るのは自分に自信がないからであり、
その自信のなさは患者を本気で思う気持ちの欠如から来るのかも。

 

「歯医者は敗者(はいしゃ)」にならないためには、
やはり人間力を高めるしかないですね。
今繁盛している歯科医院はそれを心がけてきたんでしょうね。

 

我が郷土熊本市で私が知っている限りでは、
そんな歯科医院は、
南熊本にある「やまさき歯科医院」(http://ha-yama.com/)ぐらいか。

 

あなたもこれから歯医者に行く機会があるときは、

その歯科医院は「歯医者は敗者(はいしゃ)」なのかよく見極めて行ってくださいね。