認知症の介護「成年後見人」に財産をむしり取られる?
あと10年で全国で1000万人超、
日本人の10人に1人が認知症とその予備軍になると言われていますが、
もしあなたの肉親が認知症になったとき、
今のところ、とるべき道は4つに限られているんですね。
(1)公営の特別養護老人ホーム(特養)に入居する。
(2)民営の有料老人ホームか、サービス付き高齢者住宅(サ高住)に入居する。
(3)認知症の高齢者が数人で共同生活を送る、グループホームに入居する。
(4)在宅で介護する。
どの道を選んでも、
認知症という「カネ食い虫」はそれなりの出費は避けられないですよね。
それと、
不動産や預貯金などの財産を管理したり、
身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり,
遺産分割の協議をしたりする必要があっても、
自分でこれらのことをするのが難しい場合もあります。
そんな判断能力が不十分な方を保護し、支援する成年後見制度というのがあるんですが、
この制度を悪用して昨年はわかっているだけでも被害額は約56億円もあるんですよ。
一般的に家族が役所などに勧められて、
弁護士や司法書士、行政書士などの専門職を紹介してもらいますが、
この専門職後見人こそが曲者みたいですよ。
「弁護士の先生だから、信用できるはず」と思って安心していると、
痛い目に遭うんです。
ある弁護士はこんなことを言っているんですね。
「何も仕事がなくても、基本報酬だけで最低で月額2万~3万円。
財産がある人の場合、もっと吹っ掛けられます。
実際に月々6万円、年間72万円の報酬を、後見人の弁護士に10年以上支払っている高齢者もいました。
また報酬以外に、交通費や交際費、電話代などが実費として請求されます」と。
当然ながら、
遺産相続や土地取引、遺産整理などを行う際も、
この成年後見人が代行するわけですが、
こうした「仕事」が発生するたびに数十万~数百万円の「ボーナス」を取るんです。
さらに、これほどのバカ高い報酬に飽き足らず、
認知症高齢者の財産を横領する弁護士・司法書士も跡を絶たないんですね。
たとえば、
保険金約2200万円を着服した愛媛弁護士会所属の弁護士、島崎聡。
同じく預金口座の現金約6745万円を着服した千葉県柏市の司法書士 山口雄一。
預かり金1460万円を着服した静岡県弁護士会所属の弁護士 中川真。
2人の女性の成年後見人になり、預金口座から合計約5700万円着服した東京都の弁護士 渡部直樹。
などほんの一部ですが「弁護士の先生だから、信用できない」みたいですね。
普通は成年後見人の約6〜7割は家族などの身内による親族後見ですが、
身内同士で意見の相違がある、または、全く身内がいない、等の理由で第三者がつく割合が増えているんですね。
弁護士などの職業後見人の場合は、
登録名簿の中から妥当と判断される人物を家裁の裁判官に相当する家事審判官が選ぶんです。
そして平成24年2月から後見人による着服を防ぐ為に、
後見人が手元で管理するのは本人の必要最低限の生活費のみで、
それ以外は全て家裁が指定した信託銀行に預け、家裁が許可しなければ引き出せないという
後見制度支援信託が始まりましたが、
この支援信託の利用は、
絶対ではなく拒否もできるんですね。
きっと財産を横領した弁護士は支援信託の利用を拒否したんでしょうね。
役所に「後見人を付けたほうがいい」と言われたケースで、
実際に弁護士などが必要なのはせいぜい5件に1件で、
後見人の不正行為を防ぐには、
個人ではなく、成年後見の実務に詳しく、
内部の監視がしっかりしている法人と契約するのがいいみたいですよ。
また行政が組織的に請け負うように、
主に社会福祉協議会を中心に都道府県単位で、地道に体制作りをしているところもあるみたいです。
それから参考ですが、
もし自分の身内に「認知症かも」と疑いを持った時、
傷つけないで認知症は調べるこんな方法があるんです。
あなたが両手の親指同士を組んで手を翼に見たて、「鳩の形」を作ります。
これはハト模擬テストと呼ばれ、それを10秒間目視だけした後、
「全く同じ形を作れるかどうか」を見るそうです。
外側を向いているのは手の平か手の甲か、
指の組み方が左右逆になっていないかなどを見るのですが、
正しくイメージできていなければ、正しい形を作ることができません。
正しくできなかった場合、空間認知の障害がある可能性も高いのですが、
これは認知症の初期症状だとも言われているそうです。
実際、軽度認知障害の方ですと、
3人に1人は正しい形が作れないという結果も出ているとのことです。
会話が少ない、
ストレスを抱えている、
指を使わない。
など諸説がありますが、
私は、
寂しがりや病
あるいは愛情不足症状ではないかと思います。
人と人の関わりは頭の刺激としてとても重要と思いますし、
夫婦生活で愉快な会話があるか?
ひとり住まいでは、社会との活動接点はあるか?
趣味や運動はしているか?
など、体や頭を刺激して心の健康が保たれているか考えてみましょうね
認知症は誰の身にも降りかかります。
しかも、遭遇するのは一度きりとは限らないし、
夫婦が二人同時に認知症になったらとか、
親を看取った後、次は自分が認知症になったら・・・。
他人事ではないですよね。
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