VW排ガス不正ガソリン車にも 不機嫌ワーゲン?
だいぶ傷口が広がったきているようですけど、
フォルクスワーゲンに旭化成、車にしても住宅にしてもとても高額な買い物。
安いものだったら良いというわけではないが、
大手がこんな体たらくでは、消費者は何を信じれば良いのか。
と、思いたくなるVW排ガス不正。
新たに問題が発覚したのは、
VW、アウディ、シュコダ、セアトの各ブランドの排気量1.4、1.6、2リットルエンジン。
これらの車両が示したCO2排出量が、実際の排出量よりも低かったそうで、
この中で少なくとも1種のガソリンエンジン車が含まれることを認めたそうですよ。
すでにあなたもご存じと思いますが、
そもそもVW排ガス不正(ディーゼル車)の発端は、
ウエストバージニア大学の調査レポートだったですよね。
このウエストバージニア大学に調査を依頼したのは欧州委員会だったんです。
欧州ではディーゼル車の普及が50%を超えるようになると、
都市部の大気汚染の問題が話題となっていたんです。
ベルリンやパリなどの大都市では、
排ガス規制のレベルに応じて街の中心部への流入も制限されるようになったんですね。
そこで欧州委員会はNPO団体のICCT(国際クリーン交通委員会)に
アメリカにおけるディーゼル車の調査を依頼したんです。
実際の調査は排ガスの研究で実績のあるウエストバージニア大学によって、
13年春に行われたんです。
調査対象車12年式ジェッタと13年式パサート(両車とも2ℓディーゼルを搭載)
さらに、
3ℓディーゼルを搭載するBMWのX5が選ばれたんですが、
その結果は驚くべきものだったんです。
BMWの排ガスは基準値の範囲内に収まっていたんですが、
VWジェッタは基準の15~30倍、
パサートは10~20倍も上回っていたんです。
その調査結果を受けて、
VWのディーゼル車に疑惑が生じたんですね。
カルフォルニア州の大気汚染保護局は、
同じクルマを室内で試験してみると、
排ガス基準内に収まる結果となったんですが、
実車走行では規制の20倍もの排ガスを出すクルマが、
室内試験では規制内に収まっていることから、
法令違反の「ディフィート・デバイス」(無効化機能)を使っているのではないか、
と関係者は感じていたんです。
この報告を受けたVWは、
「基準を超えたのは技術的な問題と予期せぬ走行条件の変化だ」
と主張したんですね。
その後、
VWはエンジンの制御ソフトを修正するリコールに同意し、
それから1年間かけてウエストバージニア大学はデータを詳細に分析したんです。
しかし、
カルフォルニア州の大気汚染保護局と連邦環境保護局はさらに調査を続けるが、
「ディフィート・デバイス」を使っているという証拠は見つからなかったんです。
しかし状況証拠は「黒に近いグレーだった」と、
カルフォルニア州の大気汚染保護局の専門家は考えていたんです。
そして、このままでは16年モデルの販売を認めないという、
最終通告を下したんです。
これを受けてVWは「ディフィート・デバイス」(無効化機能)の使用を認めた、
という流れなんですね。
そして、今度はガソリン車まで・・・。
一度不信を抱かれると他のものまで不信を抱かれる、の見本みたいですね。
それから最新の情報では、
ダイムラーの法務担当のクリスティーネ・ホフマン・デンハルド博士が、
VWの問題を解決するメンバーに参加すると発表があったんです。
このデンハルド博士はダイムラーで、
コンプライアンスと法務を担当する実務者ですが、
17年2月までVWの問題解決チームに参加するそうです。
ダイムラーは今回の事件は、
VWの一企業の問題ではなくディーゼル車を普及させてきた
欧州自動車産業全体の危機と考えているみたいですね。
でもこのVW排ガス不正問題は1か月が経つのに、
事件の深淵はいまだにつかめていないんですね。
いつになったら、ご機嫌ワーゲンになるんだろう?
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