「生命保険」「医療保険」「がん保険」いざというとき出ないの?
いざというときのための医療保険などですが、
ちゃんと保険で対処できるかというと別の話ということをあなたはご存知ですか?
保険契約には免責や支払事由があり、
該当しない場合には、どんなに酷い状態でも保険金がおりないんです。
保険に入る際には、
契約内容に見落としがないかよく見ておく必要がありますよ。
そんな時「週刊現代」2015年10月31日号に、
「被害者続出、だまされた!「生命保険」「医療保険」「がん保険」いざというとき出なかった」
という記事があったので一部引用します。
生命保険や医療保険やがん保険、
日本では、あなたはもちろん多くの人が、何らかの保険商品に加入していますね。
最新の調査では、
日本の生命保険に関する世帯加入率(生命保険に入っている人がいる世帯の割合)は、
89・2%(平成27年度生命保険に関する全国実態調査)。
約9割の世帯で、家族の誰かは生命保険に入っている状況で、
日本は世界的にも珍しい「保険大国」だそうなんですね。
だからこそ、
どんな場合に保険金が出るか、
どんな場合に出ないかを
最初から約款にきちんと書いてあるのを確認することが必要ですよ(契約約款の字は小さいですけど)
もし法的な争いになっても、
事前の確認を怠った側が悪いということになってしまうし、
契約書類や約款に定めがある以上、
保険金が出なくても文句は言えない。裁判をしても勝てません。
保険会社の社員は、
保険という商売を、
お客は何か慈善事業のように思ってるぐらいしか考えていませんからね。
「生命保険や医療保険というのは、
決して加入者の助け合いの気持ちや、『絆』ではありません。純然たる『賭け』です」と。
ここで具体的に保険を見てみると
◆医療保険(検査入院では出ない)
最近、注意が必要になっているのが、
検査のためのカテーテル造影手術です。
手術といっても検査ですから、結果として何の病気も見つからなければ、
手術費・入院費のいずれも支払い対象とは認められないそうです。
結果として病気が見つかり治療が始まれば、
さかのぼって検査も認められることが多いようですが、
ごく簡単な手術では出ません。
保険会社のHPを見ると、
『お支払いできない具体的な事例』がちゃんと書いてあるみたいで、
たとえば、
アフラックの場合、
扁桃腺の手術や、
骨折して埋め込んだプレートを除去する手術、
手足の指の手術、
外傷を縫い合わせるだけの手術
などでは出ないとあるし、
美容目的の手術でも出ません。
医療保険は通常、
加入前から判明していた病気に対しては出ませんね。
契約前からの持病の腰痛が悪化し入院したというような場合には出ないわけです。
ただ、最近は中高年層をターゲットにした、
「持病があっても入れる」ことを売りにした商品も登場しているみたいですが、
その分、保険料は高めに設定されていると考えたほうがいいみたいですよ。
生保社員はこう話します。
「持病があっても大丈夫というのも、善意だけで商品開発されたものではありません。
保険商品の設計をするのは、保険数学を究めた理系の人たち。
彼らは、
『持病のある人が他の病気にかかる確率は、持病のない人よりどれくらい高いか』、
『持病の悪化で平均、何日入院するか』、
『手術費はどれくらいか』
といったデータを、純然たる数字としてとらえています。
それらを掛けあわせると、
『持病のある人が手術・入院で支払う平均的なコスト』が分かる。
つまりは、
それが保険会社に見込まれる出費、リスクになります。
彼らはこれを、期待される保険料収入と比較する。
そして、必ず会社が利益を出せるような保険料をはじき出します。
会社にとってリスクが高い商品については、
当然、利益が出るように保険料を高く設定することになります」
その上で、この社員はこう指摘したんです。
「『保険で得する方法は』などとよく言いますが、
保険で、かけた以上のおカネが返ってくるかは、確率に支配された賭けの世界。
胴元に勝てるカジノがないのと同じで、
基本的には、保険会社の側に利益が出るようになっているんです」と。
◆がん保険
がん保険は、医療保険の一種で、がんに特化した商品。
それだけに、がんという病に独特な注意点があるんです。
契約後90日以内にがんと診断されても出ない
契約から3ヵ月、つまり90日間は『免責期間』と呼ばれ、
この間にがんと診断されても保険は無効になり、
3ヵ月分の保険料は戻ってきます。
がん保険には診断給付金があって、
がんと診断されたら、
その時点で保険会社は100万円などまとまった保険金を支払います。
加入後、短い期間でこれを払ってしまったら、
保険料で回収することは難しい。
このような規定があるのですが、
まだまだ知られていないみたいです。(あなたはご存じだったですか?)
上皮内新生物だと満額出ない
保険に関係する分類では、がんは大きく2種類に分けられていて、
皮膚や内臓の壁である粘膜の中にがんが収まっている「上皮内新生物」と、
上皮を突き破って浸潤が進んだ「悪性新生物」で、
お医者さんはどちらも『がんです』と言いますが、
たとえば、
一番がん保険を売っているアフラックの商品では、
悪性新生物のほうをがんとしていて、
診断給付金は悪性新生物で100万円、
上皮内新生物では10万円。
これで驚く人は多いそうですよ。
ちなみに入院給付金はどちらでも出ますけれどね。
AIG富士生命やメットライフ生命は、
上皮内新生物でも悪性新生物の50%、
オリックス生命はどちらも100万円などという商品も出しています。
再発時に「診断確定」されないと出ない
がんで怖いことのひとつに、再発がありますね。
でもここでも保険金が出ないトラブルが多いんです。
多くのがん保険では、
がんだという「診断確定」が下りないと保険金は支払われないんです。
「診断確定」とは、
単に医師が「がんだ」と判断するだけでなく、
細胞を取って確実にがんであるという検査結果が出た状態を指すそうで、
再発時も保障すると謳った保険に加入していても、
近隣の中規模病院などで診断を受けた場合、
大病院で行うような検査が行われず、「がんの再発だ」と診断されることもあります。
すると、
自分はがんだと分かっていても保険金が出ない状況になってしまうんですね。
◆生命保険(すぐ治ると三大疾病特約の給付金が出ない)
生命保険で給付金が支払われるのは、何も被保険者が死亡したときだけではなく、
「がん・脳卒中・急性心筋梗塞」の三大疾病は死に直結しやすいだけに、
生命保険に特約をつけている人も多いんですが、
医療技術の進歩で、思いがけない事態が起きているんです。
三大疾病特約のうち、
脳卒中・急性心筋梗塞には、多くの場合、
「発病し、初めて医師の診断を受けた日から60日以上継続して、労働の制限が必要だった」
と医師に認められることなどとした「60日ルール」があります。
幸いにして2ヵ月以内に職場復帰ができた、
などという場合には、
保険金は出ないんです。
自殺では出ない
死亡保険金が出るか出ないか、気になるのは自殺の場合でしょうね。
端的に言うと、
保険法第51条の定めにより、
「被保険者が自殺した」、
「契約者や保険金受取人が被保険者を故意に死亡させた」、
「戦乱その他の変乱によって被保険者が死亡した」
といった場合、
保険会社には、
法律上は、保険金の支払い義務はないそうです。
でも実際には自殺の場合にも、
保険金が支払われることがあるんですね。
それは、
「契約から3年以上が経過していて、かつ、明らかに保険金目当ての自殺ではない場合」
と
「心神喪失、精神障害の状態にあった場合」です。
保険金を狙ったのでないと証明できれば、
追い詰められ、我を忘れて自ら命を絶ってしまった場合、
遺族は保険金を受け取れるんです。
泥酔して道に寝ていて車にひかれたら出ない
保険金が支払われない免責事項の中には、
「泥酔」が含まれています。
泥酔した挙げ句、車道に寝ていてひかれた場合には、支払われない。
もちろん、
酔っぱらっていても正しく青信号で交差点を渡っていてはねられたなら、
生命保険の支払い対象ですよ。
契約時に病気をごまかしていると出ない
保険には告知義務というものがあり、契約以前に病気などが分かっている場合には、
すべて正直に保険会社に伝えていないと、契約が無効となります。
昔は保険会社の剛腕な営業マンが『書類に病気はなしで○しておけばいい』
と言ったり、
知り合いの医師を使ってきれいな心電図が出るまで、
検査をさせて書類をでっちあげたりした例もありましたが、
これは犯罪です。
契約自体が最初から成立していなかったとされてしまうので、
『大昔に契約したものだから、もう時効だろう』
というのは通用しません」
生命保険、医療保険、そしてがん保険。
何でも助けてくれるというバラ色の幻想を持っていては、
あなたも痛い目に遭うかも。
それから、
いざ保険を見直し、別の保険に切り替えようとする際にも、
まだ落とし穴があるんですね。
古い保険を解約して新しい保険に切り替える際には、
期間をうまくダブらせないと、無保険状態になってしまいます。
新しい保険のほうは、
契約が成立して第1回の支払いが終わらないと、責任開始日がスタートしませんし、
がん保険なら、90日間の免責期間もありますね。
慌てて昔の保険を解約してしまうと、
この間に凶事が起きて、保険もかかっていないという事態になります。
実際に、
わずか1日の無保険状態だった日に、交通事故に遭って、亡くなった方もいるんですよ
それから、
保険の見積で絶対にやっていけないこと!
の3点をお知らせします。
1.オススメ保険はなんですか?と聞くこと
「利益率の高い保険会社にとっておいしい保険」を薦められてしまいます。
2.とりあえず安い保険に加入する
最近人気を集めているネット保険は、実は保険としては最低限のものしか保障されていません。
だからこそ安いわけですね。
いざというときに役に立たないことが多いんです
3.保険の相談を保険会社の専属外交員にしてしまうこと
国内の保険会社でも特約や、保険の細かい内容で有利不利が実は結構あるんですよね。
表向きの保険料や内容に違いが出てこないのが保険の怖いところです。
専属の保険外交員(俗に言う生保のおばちゃん)などは自社の保険商品しか売ることができません。
その上保険の内容についても、
年齢や家族構成などを自社のコンピューターに打ち込みそのまま出て来たものを勧めているだけです。
あなた特有の事情や、
マネープランは考慮せずにセールスしていることがほとんどなんです。
あなたの保険は、本当に大丈夫か再度確認してくださいね。
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