美ビルド・ネットの熊本はてな?

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不登校は病気じゃない!熊本県では約1600人いるが・・・

不登校は、期間が長くなればなるほど、
本人(子ども)だけでなく保護者にとっても精神的な負担が大きくなりますね。

 

「うちは大丈夫(不登校になるとは)特別な子」
なんてあなたが思っているかもしれませんが、

文部科学省の調査によれば、
昨年4月から今年3月までの1年間に、

不登校になっている小・中学生は全国で12万人を超えており、
熊本県内でも約1600人に上るんです。

 

文部科学省では、不登校の児童生徒を、

「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、

登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるために、

年間30日以上欠席した者のうち、

病気や経済的な理由による者を除いたもの」

と定義しているんですね。

 

つまり、
不登校は病気やその病状ではなく、
あくまで「状態」のことを言っているんです。

 

子どもによって(不登校になる)理由や原因は千差万別で、
一人一人に合わせた対処が必要なんです。

 

初期対応を誤ると不登校が長期化し、
引きこもりや非行、自殺などにつながるケースもあるんです。

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実際、熊本県内で不登校の子供を持った3人の体験を聞いてみると、

 

子どもが不登校になった理由や兆候は?

 

Aさん(男性)
「兆候は全くなく、ある日、頭が痛いと言って休み、
それ以来(小学5年~中学3年のうち約4年間不登校)行かなくなった」

 

Bさん(女性)
「小学5年のとき、「担任が○○先生になった」と報告して来た時の不安そうな顔を見て
予感めいたものがありました。

それから、学校で吐いたり、手の皮がむけたりするなどの兆候があり、
部活など学校での人間関係のストレスが大きかったようです」(小学6年~中学1年の1学期まで不登校

 

Cさん(女性)
「学校も担任の先生も大好きでしたが、
小学6年の卒業式間近に課題の未提出があり、
担任にたたかれたショックで不登校になりました」(小学校卒業直前から不登校


我が子が不登校と分かったときの心境は?

 

Aさん
あまりにも突然でパニック状態に・・・。
「まず学校ありき」という固定観念があり、
学校にいかないと、
将来、社会生活を営むことも自立することもできないのではと不安だったそうで、
無理に引っ張って行ったこともあったそうです。

 

Bさん
「もしや」という思いはあったものの、いざ本当に不登校になると、
「不治の病」を宣告されたような衝撃を受けたそうです。

 

Cさん
当初は学校に行くべきと思っていたが、
体罰が理由でしたし、中学校も高校進学ばかりに目が向いていると感じたので、
子どもの個性が失われるぐらいなら「行かなくてもいい」
と考えが変わったそうです。

 

不登校になったときに、どこに相談したか。

 

Aさん
児童相談所心療内科にも相談に行ったが、
話を聞くばかりで具体的な対応策などは示してもらえなかったそうで、
また、
子育てを妻任せにし過ぎていたので、
「自分にも責任があるのでは」と悔やんだそうです。

 

Bさん
学校の保健室の先生や親しい友人たちに相談したそうで、
親身に話を聞いてくれて、参考になる意見もたくさんもらったそうです。
また、
県教育センターで親の適正診断も受けたそうです。

 

Cさん
不登校の子を持つ親の会に関わっていたので、真っ先に相談したそうで、
誰かが解決策を示してくれるわけではありませんが、

同じ悩みを持つ皆さんの経験談を聞くうちに、
納得できることや、腑に落ちることがたくさんあったそうです。

 

子どもには、どんな対応をしたか。

 

Aさん
最初はどうにか学校に行かせようとしたが、
あるとき子どもが「死にたい」と言ったそうで、
それがきっかけで考えが変わったそうで、

親の変化を感じてか、それ以降、
落ち着きを取り戻したそうです。

 

Bさん
「死にたい」と言えたってことは、
親子に信頼関係があったからだと思います。

 

Cさん
子どもは、学校に行かない理由や行けない理由を精一杯表現しようとします。
その気持ちを受け止めようと心がけたそうで、

休んでいる時間をより充実したものにするために、
親子で美術館に足を運んだり、映画を見に行ったりしたそうです。


不登校になったときのアドバイスは、

 

Aさん
不登校は、理由も千差万別で親の向き合い方もそれによって違ってきますから、
どうしても学校に行くのがきつければ、
「休んでいいんだ」
と思える環境を整えてあげることが大切です。

また、どんなに知識があっても、いざ自分の子どもが不登校になると、
どうしていいか分からなくなるもの。
夫婦で力を合わせて子どもと向き合うことが大事。

不登校の子どもたちは、
少なからず「親に迷惑をかけている」という思いを抱いています。

本人たちも、本当はみんなと同じ「フツーの子」でいたいはず。
それができなくて苦しんでいる状態が不登校だと理解してほしい・・・と。

 

Bさん
親が一人で抱え込むのは良くないみたいで、
うろたえたり悩んだりするでしょうが、
子どものためだけを思って、考え、
行動すればおのずと良い方向に向かうと思うそうで、

不登校は、子どもが心身共に疲れ切ってしまった状態なので、
元気な姿に戻るには時間がかかるのをわかってほしい。
病気やケガで学校を休むのと同じです・・・と。

 

Cさん
不登校になると、子どもは「自分は、もうダメだ」と思いがち、
勉強以外にも、
何か1つ自信を持てるものがあれば元気になれる。

親も自分だけで抱え込まずに、
同じ悩みを持つ親同士で交流したるすると、不安が和らぐと思います。

子どもは何らかの事情があって行かなかったり、行けなくなっている。
それは、
甘えや怠けではなく、「学校に行かない」のも一つの選択肢です・・・と。

 

不登校の主な原因は、

・学校での人間関係や学校環境に適応できない

・家庭環境に何らかの課題・問題がある

・「学校に行くこと」の優先度が低い(親・子ども共に)

・ネットやSNSへの依存(夜遅くなり朝起きられない)

・何らかの病気が関係している。

 

不登校は、そうなる前に身体面や生活面での前兆やサインが表れる場合が多く見られます。

 

☆身体的サイン

・頭痛、腹痛 ・不眠、寝つきが悪い ・朝起きられない 

・食欲不振 ・表情が暗い、口数が減る など

 

☆生活面でのサイン

・急に成績が落ちる ・学校の話をしなくなる ・部活やクラブ活動に行かなくなる

・好きなものに興味が湧かなくなる 

・母親に甘えてくる ・いつもと違う友人と付き合うようになる など

 

かっては、優等生タイプの真面目な生徒が陥るケースが多いといわれていましたが、
最近では先生に一度叱られただけで不登校になる子もいるなど、
誰にでも「学校に行けなくなる」可能性があります。

 

もし何らかの前兆が見られたら、
まずしっかりと話を聞いてあげましょう。

 

そのとき、
学校に行かないことを責めたり、
無理に行かせようとするのは逆効果になる場合があるので避けてくださいね。

 

不登校は、
早期に前兆を発見し適切に対処すれば、
比較的早く登校できるようになるケースもあります。

 

大切なのは、
日頃の親子のコミュニケーション。

万一、子どもが不登校になっても、

子どもの気持ちに寄り添い、

慌てずゆっくりと「出口」を見つけましょうね。

 

参考に熊本県不登校の主な相談窓口です。

 

NPO法人日本教育相談研究所「くまもと共育会T.T」096-366-1080

NPO法人熊本ブランチ 096-324-3068

・登校拒否・不登校に学ぶフレンズネットワークくまもと 096-345-8847

・こころとそだちの臨床研究所 カウンセリングルーム「ジャニス」096-343-2806

熊本県精神保健福祉センター 096-386-1166

熊本市ひきこもり支援センター「りんく」096-366-2220

熊本市子ども・若者総合相談センター 096-361-2525

NPO法人フリースクール地球子屋(てらこや)096-385-2930

NPO法人くまもと学習支援ネットワーク 096-285-7461

・熊本学習支援センター 096-372-2608

・くまもと心理カウンセリングセンター 096-322-2288