マイクロ・スリープ(瞬間睡眠)は脳に快感を与える?
ナポレオン・ボナパルトは睡眠時間について、
「3時間は勤勉、4時間は常識、5時間は怠惰」と言い、
自身は夜3~4時間しか眠らなかったそうです。
また発明王エジソンは、「睡眠は時間の浪費だ」と主張し、
「4時間以上眠ると気分が悪くなる」
と公言していたそうです。
不健康で認知機能が衰えるどころか、
意気軒昂で発想豊かな偉人たち。
この人たちはなぜ、
少ない睡眠で歴史に名を残したのか不思議で調べてみると、
それは仮眠。
とくにマイクロ・スリープ、
日本語で言えば「瞬間睡眠」を
うまく活用していたからだろうと言う事でした。
あなたも経験があると思いますが、
昼食後の会議などで集中力が切れると、
カクッと瞬間に眠ってしまうことってありますよね。
(私なんかよくありましたが・・・)
それがマイクロ・スリープなんです。
自分は起きているつもりでも、
数秒から10秒ほど睡眠状態に入っているんですね。
ふと意識が飛んでしまう、
この現象に、実は脳を若返らせる効果が隠れているそうなんです。
眠たくなるのは、
思考や言語など人間らしさをつかさどる大脳皮質の働きが落ちてきた証拠で、
マイクロ・スリープで脳を瞬間的にクールダウンすれば、
こうした認知機能が回復し、
さらに気分を和やかにするセロトニンや、
脳に快感を与えるドーバミンが正常に分泌されるようになるみたいです。
一瞬、うつらうつらと眠るだけでこれほどの働きをしてくれる
マイクロ・スリープ。
数分から数十分の仮眠になると、
さらに驚くべき効果があるんです。
米航空宇宙局(NASA)では、
26分間の仮眠をとると、
パイロットの能力が34%も向上したそうです。
また南欧や南米で「シエスタ」と呼ばれる昼寝の習慣がありますが、
20分以下のシエスタを行っている人と、
そうでない人に比べて心筋梗塞になるリスクが23%低下したそうです。
認知症予防にも大きな効果があるそうで、
毎日30分以内の昼寝をしていると、
認知症になる確率が5分1にまで下がるそうなんですね。
ではなぜ午後にウトウトすることに大きな効果があるかと言うと、
それは人間の体内時計の周期に関係するそうです。
人間の体内時計は、おおよそ24時間で回り、
多くの場合、午前2時~午前4時にピークが来る眠気の周期があり、
一方で、約半日で回る周期もあって、
真夜中に次ぐ第二の眠気のピークが
午後2時~午後4時にやってくるからなんです。
よく「昼食を食べたから午後は眠い」
なんてあなたも言ったことがあると思いますが、
昼食を食べても食べなくても、
午後には眠くなるリズムが私たちのなかにあるみたいなんですね。
だからあなたも安心してくださいね。
もっとも効果が高いとされるのが、
約20~30分の仮眠です。
それ以上長く深い眠りに入ると、
今度は夜の眠りを妨害するので逆効果なんです。
さきほどのシエスタも、
45分寝てしまうと心筋梗塞のリスクが減るどころか、
1.3倍なるそうで、
認知症も1時間以上の昼寝の習慣がある人は
リスクが2倍になるそうですよ。
では、どうやって20~30分で目覚める仮眠を取るかというと、
横になっては寝すぎるので、
イスの背もたれに身をまかせたり、
机でうつぶせ寝するのが良いみたいです。
また寝る前にコーヒーなどでカフェインを摂ると良いそうです。
起きてから目を覚ますために飲む、
というのではなく、仮眠前に飲むのです。
胃や小腸からカフェインが吸収され、
血中でピークに達するのはおよそ10~15分後です。
するとちょうど仮眠から目が覚める頃に
カフェインの覚醒作用が発揮されるんですね。
あなたが飲むなら紅茶や緑茶でもよいですが、
缶コーヒーはいけないです。
甘味料を多く摂っていると肥満によって喉の周りに脂肪がつき、
睡眠中に気道が閉塞する睡眠時無呼吸症になりやすくなるそうで、
それによって睡眠の質が悪化してしまうそうですよ。
あなたが20分も眠る時間がないと言うなら、
まずは少し目をつぶるだけでも良いようです。
脳で処理している情報の約8割は視覚情報と言われていますから、
それを遮断するだけで脳を休めることができるんですね。
眠れなくてもかまいません。
こと睡眠に関しては、
「眠れなかった」
「寝すぎた」
と気にしないで、
気楽に構えることが大切なんです。
あなたの脳もマイクロ・スリープでナポレオン並みに活性化するかも♪