涙活と涙婚と安っぽくなった男の涙
あなたは涙婚って知っていますか?
ついナミダコンなんて読まないでくださいよ。
涙婚(るいこん)なんです。
最近では、
「涙」を流すイベントや涙を活用した婚活が行われているんです。
「涙活」とは、
能動的に涙を流すことによって心のデトックス効果を図る活動だそうで、
泣ける映画や詩の朗読など、
毎回テーマを変えて月1~2回のペースで行っているとのこと。
ツイッターなどでもよく呼びかけのツイートが有ってますが、
最初は参加者の8割ほどが女性でしたが、
その後、徐々に増えてきて、今では3割が男性ですって。
涙活の一環として、
去年からは「涙婚」なるものもスタートしたんです。
「泣けるツボが一緒ということは、
共感できるポイントが一緒ということでは?」
と涙活プロデューサー氏が思いついて始めたそうですよ。
パーティー会場に集まった約60人の男女に、
動物ものや家族ものなど泣ける動画を6本ほど見てもらい、
そして泣けた「ツボ」ごとに別れてテーブルに座り、
たとえば、家族のシーンで泣けた人はこちらとか・・・
そのテーブルごとに会話してもらうんですって。
泣けるツボが同じ者同士のほうが盛り上がるからと。
これまでに20組のカップルが誕生し、
うち1組が結婚したそうですよ。
「涙を流すということは、初対面でも素直になれる効用があるんです。
一般的な婚活では着飾って自分をよく見せようとしてしまいます。
それに対して、
涙を流すということは、自分の裸をさらすようなものです。
「涙婚」では初対面でもすぐに打ち解けられるんです」
と、涙活プロデューサー氏は言います。
やはり現在は女性の社会進出、男性の家事参加などと、
30代半ばから下の世代は、
男女平等教育を受けたうえ、社会全体が不景気で、
「夫婦共稼ぎが当たり前」の世代で、
世の中全体に男女の壁がなくなっていったからですかね・・・
あなたはどう思いますか?
つまり、中性化社会になったため、
「男らしさ」
「女らしさ」
ということ言葉はあまり聞かなくなりましたね。
「男らしくしなさい」
「男の沽券(こけん)」
「男たるもの」
と言われても、
「それで生活できますか?」
という感じになってきているんです。
そして人目をはばからず安っぽく泣く男が増えてきたんですね。
「男性に泣かれた経験がある」という調査によると、
女性は33.3%
独身の社会人では46.6%
34才以下の既婚女性では51.1%
と過半数を超えたんですね。
確かにテレビの番組でも男性が泣くさまを
当たり前のようにみかけるようになりました。
その昔、
男が人前で泣くのが当たり前だった時代もあるんですよ。
平安時代の小説「源氏物語」には、
主人公・光源氏が恋愛で涙する場面が描かれており、
当然の行為だったそうです。
「男が泣いてよいのは親が死んだ時だけ」
そういわれるようになったのは、
それから800年以上も後の明治時代以降なんです。
日本政府は富国強兵を掲げ、
日清、日露、第一次世界大戦へと戦争に突入して
「男がメソメソ泣いては、戦争に勝てません。」
昭和になると、軍部が「武士道」を都合のいいように解釈して
「男たるもの、決して泣いてはいけない」
と広め、国民に浸透させたんですね。
戦後になっても、
その価値観は継承されてきて、
結婚したら女性は専業主婦になり、男は外で働いて家族を養う・・・と。
男性は強い存在だったんですよ。
そうした考えが変わり始めたのは80年代からで、
86年に男女雇用機会均等法が施行され、
男女平等化社会実現に向けての取り組みが本格的にはじまり、
今に至っているんですね。
今では男性が泣くことに対して、
女性は「とても理解できる」(9.4%)
「少しは理解できる」(45.5%」
と「理解派」が半数を超えている時代なんです。
人前でもどこでも涙をよく流す。
かってと比べて、
男の涙が安っぽくなったといえるかもしれませんね。